2分かかる感想文『雨降って、ジ・エンド。』(若干ネタバレあり)
2023/9/17、下北沢映画祭*に行って、髙橋泉監督の『雨降って、ジ・エンド。』を見てきました。
いつもは読者を想定して、というか、
読んでもらうことを前提に文章を書いているんですが、
今回はだれにも読まれないと思って書きます。
読者に届いてこそでしょ!とも思うけど、
勢いのままに、思ったことを忘れないうちに、どうにか文章で感想を残します。
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◆1. 性嗜好障害
性嗜好障害というものを私は初めて知った。犯罪は行動を起こす手前で踏み止まれば何も罰を与えられないはず。なのに、踏み止まれた人も罪悪感に似た何かを背負い、行為に及ぼうとした誰かや、自分の身近な人に謝り続けて生活しているのかもな、と想像する。
性犯罪は絶対に許されることではない。それは当たり前にそうで、犯罪者を擁護する気もない。ないんだけど、それでもそういう精神的な障害を抱えた人はたしかに存在していて、その人たちが今この社会で生きることは、私の想像が及ばない過酷さがあるんじゃないかと思う。
◆2. 人を好きになること、その思いを伝えること
「人を好きになるって素晴らしい!」なんて小綺麗な言葉ではあまりに大雑把だなと思ってしまうけど、それでもその感情は素敵だなと思う。伝えて、砕けて、消化して、前に進む必要があるな、と。
その気持ちを言葉にする、アクションを起こす、っていうのは相手なり周りの人なりからの目線が多少は気になるもので、性嗜好障害の人ならなおさらで。それだけで犯罪やハラスメントになってしまうこともある。だけど、恋愛だのなんだのに関わらず、気づけば思ってしまう、気づけば考えてしまうことって止められないから、そこは自分の気持ちを受け止めてあげることが大切だよな、と改めて思った。
◆3. 北沢タウンホール
笑いをその場にいる人と共有できるのって嬉しいことだなぁと再認識した。
監督さん(脚本家さん)、役者さんと一緒に観客席から見れたのも良かったなぁ。
リアクションをその場で届けられた気がして嬉しくなった。
◆4. その他、映画の(雑な)感想
・予想通りのセリフが来る場面がありつつ、予期せぬ展開がやってくる感じが面白かった。
・「屁こいたんじゃなくて、こかされた」って表現は確かに面白いな。2人が楽しそうだった。
・「シグナルは0じゃない」
シグナルを見逃さないように、常に見張るのは自分が疲れちゃうからできないけど、でも何かあってからでは遅いから、今今接している人たちに関しては気づいてあげたいな、と思う。
→アフタートークにて、「被害者になる想像だけじゃなく、自分や自分の大切な誰かが加害者になる想像をすれば、シグナルにアンテナが立つようになるんじゃないかなぁ」的なことを監督が仰っていた。確かに加害者側の想像はあまりしないかも。大切な誰かが誰かを傷つけてしまったとき、私はその大切な人にどう向き合うだろうか。というか、逃げずに向き合えるだろうか。今の私には無理かもしれない。
・ピエロのピエロらしさを感じる時間と人間らしさを感じる時間があった。
→ラストの感情が思いっきり外に出るシーンは『容疑者Xの献身』の石神(堤真一)っぽさを感じた。
◆5. 最後に
とてもいい映画でした。見れて良かった。
機会があればぜひ、あなたも。