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「給料に応じて働くなんて止めな」の教え
どんな仕事でも、大なり小なり大変さはあり、仕事というのは、「おまんまを得るすべ」なわけですから、仕事の本質は、生物が発生して以来の「食い物にありつくための生存競争」なんですね。
人類は、生物そのものでありますが、現在は食べ物そのものを得ることは、昔よりたやすくなっているはずです。
一方で、食べ物を得るための「お金」を稼ぐのは、食べ物があふれている現在にあっても、やっぱりいろいろと大変なんです。
「お金」を稼ぐためには、仕事をしないといけませんから、昔で言う家作などの不労所得がたくさんある家ではない以上、自分はサラリーマンを継続するしかないのです。
正直、社会保険労務士資格を取得したときは、一瞬、「独立か!?」と、色めきましたが、社労士会の役員に話を聞いたところ、こんな風に言われましたので、思い留まりました。
「年収500万円で、妻子もいて、生活を何とかしたいというのならば、一発狙って、独立もいいと思うが、年収800万円もあるならば、独立はオススメしない。」
いろいろな情報を見聞きするに、開業社労士の平均年収というのは、あんまり高くないのが相場のようで、それよりは、勤務社労士として、資格を活かして、「企業内自営業者」的な位置付けで、専門職としての働きをし、プラスの食い扶持を得るのが得策と判断した経緯があります。
※リクルート出身で、公立中学・高校の校長を務めた藤原和博氏が、その著書の中で、「企業内自営業者」的な働き方を推奨していたのにも影響を受けました。
というわけで、私なりに、職場では、専門職的な立ち位置で、三十云年間のサラリーマン人生を送ってきたのです。このアイデアは、悪くはなかったなと今でも思っています。
で、来年3月末で、今の人事制度では、いったん60歳の定年となり、4月1日付の就業規則の改訂により、瞬間タッチで、定年が65歳に延びます。これにより、私は、おそらく60歳以降も働くことになるのですね。
ところが、正社員としての位置付けにもかかわらず、給与は半分近くに減額される見込みなんです。
しかしながら、給与減額云々の前に、仕事が結構大変なので、何度定年で職を辞そうと思ったかわかりませんが、次のような点から、これまた、思い留まろうとしています。
①中高齢期以降、サラリーマンを継続することは、軽い(!?)ストレスが逆に、健康面に資すること。
②給料は減額されたとしても、一定の安定収入は、中高齢期以降の生活経済面での寄与が大きいこと。
③サラリーマンとして給料をもらい続けると、厚生年金加入期間が増え、将来的な公的老齢年金が増加すること。
そんなこんなで、いったんの定年後も働こうとは考えるようになってきているのです。
近県への出張時、既に定年となっていて、現状は、「嘱託社員」の身分の先輩と一緒に食事をする機会があり、その先輩は、タイトルのようなことを指摘したのです。
「給料に応じて、(手を抜いて)働くなんてことは止めな。」
私も、給料がほぼ半減しようとする中、周囲を見渡しても、ゆったりした働き方をしているなと感じる向きも(かなり)あり、今までのような激しい働き方を、これからも続けるの?、という疑問があったのですね。
しかしながら、その先輩は、自身の人生観として、そんなカッコの悪い生き方はすんなよ、と指摘したのですね。思わず、「○○さん、カッコいいです!! シビれますね。」と言ってしまいました。
「企業内自営業者」としての立ち位置で、私も、使ってもらえるうちは使ってもらえと、ちょっと思い直しましたよ。これは、おそらく極めて真っ当な考え方なんでしょうね。