全国から社員が集う研修会事務局として
私は、社会人になってから、30数年の間、ずっと同じ組織にいるのですが、その中には、全国何百か所もの拠点があるのですね。
その拠点ごとに支所があり、支所の数たるや、全国何千か所にも及び、○○万人もの社員が働いています。
私は、その拠点社員のための研修会の事務局(兼講師)を担当したことが、現在も含めて、計3回の期間あります。
全国の拠点は、津々浦々に及び、その地域の特徴を持った本当に元気の良い社員が研修所を訪れます。
私のいるところは、言わば本社機能のあるところですから、そこの研修所に集う全国津々浦々の社員は、言わずもがな、地域を代表するような優秀で、そして、将来を嘱望されているような社員なわけです。
私は、この研修の事務局(兼講師)の立場として、約25年前、約10年前、そして、現在と、都合3回、担当しています。
ちなみに、私は、全国45都道府県に出張して、講師を担当し、また、本社機能のある研修所等で、全国47都道府県の方に研修会講師を行っている経験があります。
何だかんだで、都合千回は充分超える回数の講師を担当していると思います。ただし、最近は、コロナ禍も経て、ライブの研修会もガクンと減り、技量がだいぶ落ちてしまいました…(T_T)。
現在、私が担当している全国区のこの研修は、冠たる研修会タイトルは変更せず、ただし、中身は時代に合わせて変えながら、もう約50年間続いています。本当に、大したものです。
各地域の特徴を帯びた優秀な社員が集う、と言いましたが、日頃、そういった社員は、基本的に、拠点ごと、地域ごとにしか研修を受ける機会がなく、地域をまたいだ他の地域の方と触れ合う機会がほとんどないのです。
実は、このことが、この研修が継続してきた真のポイントなのです。
みんな営業の進め方やら、チームワークのやり方やら、リーダーシップの取り方やら、人事ローテーションの回し方やら、様々な観点で、悩まれています。
そのことについて、本社機能のある私たちが、回答を示唆しても、最前線にいる彼・彼女らには、腑に落ち感がイマイチなのです。
「どうせ、現場をよくわかりもしない本社の奴らが言っていることだろう。」という感触になりがちなのです。
ちなみに、私は、“報道の最前線”という新聞配達を、新聞専売所に住み込んで、行っていた経験がありますから、この感覚・感度が自分事として、よく理解できるのです。
ところが、現場の彼らが、GW(グループ・ワーク)などをしながら、自分たちで、熟考しながら、回答を導き出そうとしていくと、自ずと、私たち本社機能も想定するような形に、ただし、より現場感覚を持ったものに、なっていくのです。これはスゴいことです。
彼・彼女らは、GWの最終段階に、それらをPCを使って、レポートにまとめ、各班ごとに、全員で発表します。
もともとリーダーの気質のある人たちですが、さらにその中でも、リーダー的な役割を買って出る人がいます。その各員の発表のパフォーマンスがかなりスゴいんです。
その発表は、優秀班に対し、各自投票し、優勝班を決定します。何も記念の商品はありませんが、みんなから認められた班のメンバーは、そのことを一番喜んでいます。
最終日、全員一人ずつ、「決意表明」を発表し、その後、修了証が授与されます。
修了後のみなさんの別れを惜しむ顔、ただし、また、フォロー研修で会おうね、という期待感…。この瞬間は、事務局の立場としても、安堵感とともに、小さな喜びを感じます。