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『JUST KEEP BUYING』ただ買い続けなさい

 タイトルの本は、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著、ダイヤモンド社刊)です。

 著者は、全米屈指のデータサイエンティストであり、この本は、過去100年以上にも及ぶトラッキング・レコードを駆使しながら、貯蓄と投資の話をするという内容です。

 2023年6月に初版が出ており、400ページを超える分厚めの本ですが、すでに10万部を突破している話題の本です。

 この本の指摘する「投資哲学」は、次の3語に集約されます。

 “ジャスト・キープ・バイイング”(ただ買い続けなさい)

 これは、単純に集約すれば、貯蓄が一定程度できた人なら、投資商品を、「ドル・コスト平均法」で、淡々と買い続けなさい、ということなんです。

 投資期間中に、その価格の上昇・下降はあっても、投資商品は、傾向的に上昇が期待できるため(歴史が証明している!)、淡々と買い続けて、保持している限り、自動的に富が増え続ける、といった内容なんです。

 第1部は「貯金力アップ篇」で、貯金するための収入アップの方法として、意外にも、こんなことを言っています。

 「富裕層になるのは従来型の教育とキャリアパスをたどった人が多く、一夜にして富を手に入れたケースは稀にしかない。… 特に若い人や経験不足の人には、従来型のキャリアを歩むことを強く推奨する。“9時5時の仕事”をして大富豪になるケースはめったにないが、会社での仕事を通じて人間関係を学び、多くの技能を磨くことは、将来的なキャリア形成にとって極めて大きな価値となる。 起業や独立をする人も、まずは会社勤めをするのが一般的だ。 起業時の平均年齢が40歳であることもそれを物語っている。 40歳にあって22歳にないものは2つ。経験とお金だ。 そしてこの2つを得られるのが、会社員として企業に勤めることなのだ。」

 そして、第2部が、「投資力アップ篇」であり、この本の中心部分です。

 第2部は、一言で言うと、インデックス型(株価指数等への連動型)の投資信託に、毎月、積立し、長く保有せよ、に尽きるのですが、インデックス型投資信託についても、いろいろなパターンを示しています。

・米国株式(or全世界株式)インデックス
・株式と債券等のインデックスに投資するバランス型投信
・REIT(特にインデックスに投資するもの)


 いずれも、長い期間、保有することを前提にすれば、上昇トレンドを描くことが-歴史的に-実証されており、それらをリスクを低下させるために(高値づかみをせず、安値で多めに買うために)、「ドル・コスト平均法」で、買い続け、時間を味方に付けることによって、富を増やして行きましょう、という内容です。

 株式(米国株式or全世界株式)のインデックスというのは、よく言われることですが、バランス型投信におけるリバランス機能(資産のポートフォリオにおける高めのものを売り、安めのものを買うことにより、結果として、リスクを軽減する効果)についても、言及しているように読めて、興味深かったです。

 不動産も、現物不動産に限らず、REIT(不動産投資信託)のうちの上場しているもの(日本でのJ-REIT)が、流動性が高く、不動産を直接管理する必要がないことを理由に、推奨されている点も気に入りました。そのうち、指数連動型のETFを購入されているとか。

 私も、FPやら、お金まわりの本は、1,000冊を優に超える冊数を読んで来ましたが、この本は、過去のデータを丁寧にひもとき、わかりやすい算式とグラフで解説しており、非常に良心的な本だと感じました。

 今まで、自分が学んで来て、そして、実行して来ていることが、方向性として、間違っていなかったと安心できる材料となりました。

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