映画『四月になれば彼女は』ウルルッ☆
弥生、三月、それも終わりの頃。かくいう私は、これからの年度末までに誕生日を迎えます。
東京は、冷たい雨の中、桜の開花が遅れていますが、桜のつぼみはまだ固く、もうちょっとだけ待たされるようです。
銀行等に用事があり、お休みをいただいておりましたが、私は、こういう平日の休みは、このところ、映画館に映画を観に行くことが多くなりました。
ちょうど、映画館のアンケートに答えたら、200円のクーポン券がもらえたので、その期限が切れる前にね、と。
コロナ禍が明けて以来、結構、映画を観に行くようになっていますが、私が単純だからなのか、秀作が多いような気がしています。
今日は、川村元気原作のベストセラー小説(文春文庫刊)を題材にした『四月になれば彼女は』を観に行きました。
結婚を控えた精神科医の藤代俊役を演じるのは、佐藤健。その婚約者で、謎の失踪を遂げる坂本弥生役を演じるのは、長澤まさみ。学生時代の藤代の恋人で、世界中を旅する伊予田春役には、森七菜。
この3人の学生時代から30代までの10年間の恋の物語なんですね。
坂本弥生は、4月1日生まれで、学年が前の年度になるなどから、4月を嫌っているのですね。坂本弥生は、獣医師ですが、その疑問を精神科医の藤代俊にぶつけるシーンがあります。
「何でなんでしょうね。」というような答えしか、藤代俊は、答えていませんでしたが、実はチコちゃんならぬ私は、知っています!!
明治35年に制定された「年齢計算ニ関スル法律」というのがあり、その第一条に、「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」とあることを根拠にしているのですね。
わかりやすい例を出すと、4月1日の午後1時に生まれたとしましょう。すると、年齢は出生の日より起算することになりますから、ほんの少しだけさかのぼって、年齢の計算の開始は、4月1日の午前0時00分00秒より起算することになります。
すると、4月1日生まれの人が、次の年齢に達する日は(法律上、本当にこういう言い方をするのです(!)。)、3月31日の午後12時(24時)となるのです。
つまり、4月1日生まれの人は、3月31日に次の年齢に達することになりますから、前の年度で、前の学年、つまり、早生まれの中でも、最たる早生まれとなってしまうのです。
私は、誕生日を、年度末のこれからに迎えるような結構“優れた(?)”早生まれですが、4月1日生まれの人は、全くもってそれどころじゃないんです。
ちなみに、私の姪っ子は、映画のヒロイン同様、4月1日生まれですが、結構頑張って育っているようですよ。
映画では、ヒロインの名前が、弥生(三月のこと)で、助演しているもう一人のヒロインの名前が、春ですから、まさに、今の時期にピッタリ合わせた公開ということになります。
劇中、たびたび、桜の花が登場してきますが、何と言っても、日本人は、桜の花が好きなんだなと思いますね。
桜の花が咲く今の時期は、年度替わりの気持ちが揺れ動く時期です。まさに、その年度替わりのタイミングで、ヒロインの弥生は、失踪し、また、その婚約者である俊が精神科医という設定というのは、不安定な気持ちになりやすい今の時期らしい微妙で落とし所のいいシチュエーションです。
私は、時代劇の水戸黄門ですら、ウルッと来ちゃう人で参考にならないかもしれませんが、この映画でも、案の定、ウルルッと来ました。ウルルッと来て、少しだけ先の明るい未来を見た感じがします。ちょっといいかも。