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内容項目「勤労、公共の精神」(第5学年及び第6学年)

今回はC:主として集団や社会との関わりに関すること「勤労、公共の精神」について考えたことをまとめていこうと思います。

内容項目について

子どもの頃、働くことに対するイメージは「家族を養うため」「大変なものだ」「しんどくても頑張らなければならない」などというものでした。
ここでの「家族を養うため」というのはどちらかというとポジティブなものではなく、「家族を養うためだから頑張らなきゃいけない」という「ねばならない」という圧力のようなものに感じていました。
だから、なんとなく「働くのやだなぁ」「ずっと子どもでいたいなぁ」なんて思っていました。

けれど大学時代のアルバイトや教員生活を送る中でその考えも変わってきました。
「働くのって楽しいな」と思うこともたくさんありました。
(そればっかりじゃないですけどね…笑)

今の子どもたちは働くことにどのようなイメージを持っているでしょうか。
ぼくのように「やだなぁ」と思うよりも「自分も頑張るぞ」「働くのっていいな」とポジティブな感情が生まれるようなイメージを持ってほしいと思いませんか?
もちろん「仕事=楽しい」なんて簡単なものではないので、しんどい部分や苦労する部分も見た上で、ですが。


というわけで今回も学習指導要領解説や辞書などをもとに内容項目に対する解像度を上げていこうと思います。
働くことに対しての希望をもてるような授業をつくることにつなげていきたいです。

〔第5学年及び第6学年〕
働くことや社会とに奉仕することの充実感を味わうとともに、その意義を理解し、公共のために役に立つことをすること。

学習指導要領解説 特別の教科道徳編

「働くことや社会に奉仕することの充実感を味わう」

「奉仕」という言葉を調べてみると以下のような意味が出てきました。

【奉仕】
2 利害を離れて国家や社会などのために尽くすこと。
(1、3は省略)

goo辞書

「どうして働くの?」と子どもたちに聞くと「お金が必要がないと生活できないから」という答えが返ってきませんか?
もちろん他の答えも返ってくると思いますが、子どもたちのイメージの中でまずは「働く=生活するお金を稼ぐため」というものがあるのではないでしょうか。
それはきっと大人も同じかもしれませんね。
まずは自分の生活できるお金を稼ぐことができなければ、奉仕することの充実感なんて味わうことは出来なさそうです。

こうした生活の基盤をつくることができている上で、「働くことや社会に奉仕することの充実感を味わう」ことができそうですね。
「奉仕」という言葉の意味を調べると、「利害を離れて」という言葉が含まれていました。
自分がお金をもらえるかどうかは関係ないということですね。
みなさんには「お金をもらえなくても誰かのために行動して充実感を感じる」という経験はありますか?
それはどんな時でしょうか。

ぼくが思い浮かべたのは「掃除」です。
これは学校で決められている掃除ではなく、自主的に行う掃除です。
ぼくは中学生の頃、放課後に友人とトイレの手洗い場を掃除していたことがあります。
「その友人がやるからぼくもやる」という感じでしたが、掃除を終えた後は満足感というかスッキリとした気持ちになっていたことを思い出します。

この経験から「働くことや社会のために奉仕することの充実感」は、
①自分のしていることの成果を感じられること
 →掃除した場所が綺麗になった
②自主的に行うこと
 →先生に強制されたわけではない
③自分たち以外にもメリットがあること
 →トイレはその付近に教室がある生徒がみんな使う
という3つの要素から成り立っているのではないかと考えました。

学習指導要領解説の(2)指導の要点 にも

(前略)…仲間と協力して学ことの楽しさを通して、汗を流すことの尊さや満足感、仕事を成し遂げた際の喜びや手応えなど、働く意義や社会に奉仕する喜びを児童一人一人に体得させ、…(後略)

学習指導要領解説 特別の教科道徳編

とあります。
ぼくの中学生の頃の経験にはこれらの要素があったと思います。

5、6年生の子どもたちは、委員会活動も含め学校生活の中で様々な経験をしてきています。
その中には「働くことや社会に奉仕することの充実感を味わう」瞬間もあったのではないでしょうか。
その経験を振り返ったり、これからの活動につなげたりすることで自分ごととして考えていくことができそうです。

「公共のために役に立つこと」

学習指導要領解説(1)内容項目の概要 にこのような文言がありました。

(前略)…働くこと自体が自分に課せられた社会的責任を果たすという意味においても重視する必要がある。

学週指導要領解説 特別の教科道徳編

この部分を読んだ時に「働かなければ社会的責任を果たしたことにはならないのか」という問いが立ち上がりました。
社会的責任とは「市民としての組織や個人は、社会において望ましい組織や個人として行動すべきであるという考え方による責任」(Wikipedia)のことです。
働いていなければその責任を果たしていないということになりますね。

世の中には多種多様な仕事があり、その仕事のおかげでぼくたちは生活することができています。
もしそれらの仕事の働き手がいなくなってしまうとどのようなことが起こるでしょうか。

例えば、電車の運転手。
電車を運転する人がいなければ長距離の移動を楽にすることが難しくなりますよね。
簡単に一つだけ例を挙げただけですが、これだけでぼくたちの生活がいかに多くの仕事(=働き手)に支えられているかがわかるはずです。

自分が働くことによって社会を支える一人になるということです。
ここでの仕事はお金をもらうことだけではないでしょう。
ボランティア活動もその一つになるでしょうし、学校の中で言えば当番活動や先ほど挙げた委員会活動も含まれるでしょう。
仕事というのは自分一人で完結するものでなく、他者に価値を提供するもの全てが含まれるのかもしれませんね。

おわりに

「勤労、公共の精神」について考えてきました。
子どもたちが仕事に対して「働くことは楽しい」「自分のためだけでなく人のためにもなっている」という想いをもつことができたらいいなと思います。
次の記事では授業づくりをしていきます。
今回考えたことが授業づくりにどう生きてくるか楽しみです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回の記事でもよろしくお願いします。


ぶっく📚

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