内容項目「生命の尊さ」(第5学年及び第6学年)
今回はD:主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること「生命の尊さ」の内容項目について考えたことをまとめていきます。
授業で扱う教材はGakken新版みんなの道徳 5から「母とながめた一番星」です。
10月に入ってから始めたこの授業づくり記録のnote。
もう4回目になります。
これまでの記録はこちらのマガジンにまとめているのでよかったらどうぞ↓
では、今回も学習指導要領や辞書をヒントに内容項目についての解像度を上げていこうと思います。
内容項目について
今回は「生命の尊さ」。
「D項目の授業はちょっと苦手だ」ということを何度か聞いたことがあります。
他の内容項目でもそうですが、「命は大切だ」ということは子どもたちも知っています。
その知っていることを改めてなぞるというか押し付けるというか…そんな授業になりやすいのかもしれないですね。
「生命の尊さ」の学習をするとき、子どもたちに「命って大事なの?それはどうして?」と聞くと、「(命が大事なのは)当たり前やん!」「だって一つしかないから」と答えてくれます。
やはり「命は大切だ」と知っています。
けれど「腹落ちして理解しているかどうか」というとどうでしょうか。
授業づくりする上で「あぁ、だから命は大事なんだ」「自分(や他人)の命を大切にしなきゃ」と心から思えるような時間にしたいですよね。
「多くの生命のつながりの中にある」とは
内容項目の中に「生命が多くの生命のつながりの中にある」という文言があります。
これってどういうことなんでしょうか。
ぼくが思い浮かべたのは、過去・現在・未来のつながりです。
私たち人間(だけではないですが)の命があるのは自分の両親、その両親、そのまた両親…と命をつないできたからこそ存在します。
つまり過去に目線を向けた時のつながりです。
また、ぼくたちが生きているのはともに過ごす家族や友人、恋人などの影響もあるのではないでしょうか。
様々な人たちに支えられ、今日を生きている。
直接目に見える形で影響があるものだけでなく、なかなか目に見えにくいけれど命を支えているということもあると思います。
植物などの自然や動物たちの命もぼくたちを支えてくれていますね。
これが現在に目線を向けた時のつながりです。
現在というのは点ではなく、自分が生まれてから今までのことを指しているので過去のつながりとも重なっていますね。
さらにまだ生まれていない命ともつながりがあると考えます。
まず、自分がこれから出会う人との間に生まれる命がそれに当たります。
血が繋がっていなくてもこれから自分と出会い支え合うことになるであろう命もあるでしょう。
血のつながりだけが命のつながりではありません。
このように多様なつながりがあり、その中に一つの命があります。
「一つの命は他の命に支えられ他の命を支えている」ということができるのではないでしょうか。
「尊重する」とは
内容項目の文言に「尊重する」という言葉もあります。
そもそもですが、尊重するとはどういう意味でしょうか。
辞書で調べてみました。
つまり、「生命を尊重する」とは「生命はとても価値のあるものとして扱うこと」を指します。
こうしてみると、生命を尊重するにはその大切さや価値を理解している必要があるとわかります。
生命の大切さがわからない、価値がないと考えている人が生命を尊重するはずもありません。
小さな子が道を歩いている蟻を踏み潰して遊んでいる姿を見かけることはありませんか?
蟻の生命を尊重していない姿そのままですよね。
蟻を踏み潰して遊ぶのはきっと「蟻の生命の大切さを理解していない」からではないでしょうか。
「蟻の命も1つの大切な生命なのだ」考えている人がその命を踏み潰して遊ぶことはしませんよね。
だから、生命を尊重するには生命の大切さを感じられるように指導していく必要があります。
「生命の大切さ」の視点
ただ、生命の大切さと言っても「なぜ大切なのか」と問われれば、「一つしかないから」「家族が悲しむから」という理由だけしか浮かばないということはありませんか。
もっと生命の大切さについて様々な視点から考えを持っておくことで、教材に込められた生命の大切さを読み取り指導に生かすことができそうです。
学習指導要領解説にはこのように書かれていました。
授業で扱う教材はどの側面を強調する内容になっているでしょうか。
教材の特徴を掴むことができれば、学習の向かう方向性を定めやすくなりそうです。
おわりに
「D:生命の尊さ」について考えていきました。
今回は「〜とは」という問いから考えることが多かったです。
自分の経験から、内容項目に示されいる文言について自分なりに考え、解釈を豊かにしておくことで子どもたちの多様な考えを受け止める余裕が生まれます。
今回は学習指導要領解説や辞書を使いながら考えていきましたが、教材を通して考えたり他の先生と話しながら考えるとさらに豊かに解釈できるようになりそうです。
よかったらコメントで感想や疑問を残していってもらえると嬉しいです。
ぶっく📚