豚まん
関西では。もちろん神戸でも、多くの人が、肉まんのことを、豚まんという。
私は、神戸で育った。そして、中華街には、両親に、よく連れて行ってもらった。そして、豚まんを、よく食した。
私の記憶が確かならば、豚まんという言い方をはじめてしたのは、神戸の老祥記というお店である。
そこに、足を伸ばしてみたのだ。
久しぶりの中華街は、なんだか、賑わっていた。秋のお祭りの最中だった。かなりの人出で。老祥記には、豚まんを求めて列ができていた。
関西のお土産の定番は、551の蓬莱の豚まんである。それは、つい最近の記事にも書いた。
我が家の家内も、子供たちも、大好きである。このご時世になる前。義母は、大阪に買い物に出る度に、この豚まんを、送ってきてくれていた。
我が家では、豚まんと言えば、551の蓬莱なのである。
だが、神戸で育った私からすると、豚まんと言えば、神戸元町の中華街なのだ。すべてのお店の豚まんが、美味しい。でも、中でも、老祥記の豚まんが、私は、一番だと思っている。
老祥記の豚まんは、小振りである。膨よかで、上品で、癖になるほどの美味で。一度食べ出したら、何個でもお腹の中に消えていく。
記事の中で、あべみょんさんが、こういうコメントを書かれていた。
そして私は、こう、返した。
こういう考え方は、私の、全くの私見なのであるが、まあ、当たらずといえども遠からずというところではないかとも思っている。
確かに、551の蓬莱は、大人気である。木村屋の肉まんも、美味である。だが、神戸にゆかりのある私からすると、どうしても、神戸元町中華街の豚まんを、押したくなるのである。
老祥記では、みんな、豚まんを、10個単位で買って帰っていた。私も、同じく10個所望し、家内に半分持って帰った。
長男宅で夜に落ち合った家内は、レジ袋の中の包み紙を見るなり、こう、言った。
あ、老祥記の豚まんだ。
家内は、レンジで温めて食した。
出来たてのほくほくを食べさせてあげられなかったのは、やはり家内に申し訳なく思ったので、寝る前に、マッサージをしてあげることにした。
家内は、マッサージをすると、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。