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算盤から電卓へ、そして生き残る言葉
「僕の昭和スケッチ」212枚目
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子供の頃に算盤塾に通わされた方も多いのでは?
かくいう僕も、親に勧められてほんの暫くだが通って、すぐに辞めた。
辞めた理由というのは、何となく古臭くこれが本当に将来自分の役に立つ、という実感が持てなかったからだ。
もう一つは、ずっと算盤を習っている子供達の中には非常に大きな数の暗算などをいとも簡単にこなしてしまう、、、そんな怪物が塾にはいたのだ。どういう訳か、僕の記憶ではそれは女の子が多い。
そんなモンスター達に「これは、到底敵わん」とさっさと僕は白旗を上げて撤退してしまった、という訳だ。
こうして、一ヶ月も経たないうちに算盤塾に行かなくなった僕を捕まえて、母親は嘆いた。
「あんたは、何をやっても続かんね・・・」
と(涙)
だが、それから10年程で電卓なる便利なものが登場する。
最初は大きなものだったが、次第に小型化され、薄型が開発され、価格もどんどん安くなっていった*。結果、周知の通り人類の歴史史上長く栄華を誇っていた算盤*は、あっという間に使われなくなった。
だが、だからと言って僕は「ほらね、だから算盤なんて習わなくて良かったのさ」などとは思わない。僕は、全くの所大した人間ではないけれど、幸にしてそこまでつまらない人間ではない。
なんてね(笑)
さて、ともあれこうして、算盤というものは使われなくなった。
けれど、どっこい言葉の世界ではちゃんと生き延びている。
謂く
算盤勘定=金銭的な損得
算盤尽く=打算的なこと
算盤を弾く=損得を計算する
算盤の玉はずれ=計算以外の金. 表向きでない金
算盤が持てない=採算があわない
算盤が合う=採算がとれる
etc
ちなみに僕は、算盤の玉はずれという言葉を知らなかった(>_<) 💦
*電卓の薄型化
1978(昭和53)年、名刺サイズの電卓CASIO『LC-78』。厚さはなんと3.9ミリ。
*算盤の歴史によると中国では紀元前1000年頃、メソポタミア地方では紀元前3000年頃。(日本珠算連盟HPより)
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