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雀が絶滅危惧種って本当!?
「僕の昭和スケッチ」259枚目
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雀は今絶滅危惧種に指定されています。
これは悲しいかな本当のことのようです。
昭和の頃までは、農村はもちろん、都市部でも街中の屋根瓦の上や歩道を飛び回っていた雀です。思い起こせば、僕がこのマンションに越してきた頃は小さな庭やベランダに確かに雀たちは遊びに来ていました。
しかし、そう言えば最近庭で庭で雀を見た記憶がありません。
雀にまつわる言葉
雀は人の住居のすぐ近くに暮らしており、人との関係も深く、古くから俳句などにも読まれていました。
・「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」
これは、誰もが知る小林一茶(江戸時代)の名句。
・こんなのも・・・
「雀子や走りなれたる鬼瓦」鳴雪(明治/大正)
・雀を使った熟語もたくさんあります。
「雀躍(じゃくやく)」スズメのように小躍りして喜ぶこと
「燕雀鴻鵠(えんじゃくこうこく)」大人物の志は小人物には理解しがたいということの例え
そんな風にいつも人間の傍にいた雀が、絶滅危惧種とは・・・・??!!
原因
・長く続いた軒のある木造住宅様式が近年失われ、狭いところに巣を作る習性のある雀が巣を作ることが難しくなった。
・人間の周りにゴミが増え、それを餌にするハシブトガラスの個体数が増加した。カラスは雀の天敵であることはいうまでもない。
・政府による稲作の規制。
雀は雑食で稲も食べるので農家からは害鳥と思われてきましたが、一方で害虫や雑草の種も食べてくれる益鳥でもあった訳です。中国で雀を駆除しようと1年間に11億匹を捕獲したところ農作物の害虫が増え、翌年に大凶作を招く結果となった事例もあります*。
小さな生き物が暮らしの周りにいる世界は、人にとってかけがえの無いものです。
雀の復活を祈りたいものです。
*僕の昭和スケッチではこういった小動物の危機について何度も触れて来ました。統計によれば、雀の数は2007年調べで50年前の10分の1とも推定されています。(Wikipedia参照)
*人間の営みは直接的にしろ間接的にしろ環境を破壊していきます。どこかで本当に改めなければ、いつか人間の周りにはゴキブリしかいなくなってしまうのでは・・・??
*中国の事案につきましては、住居マガジンビオ「びおの珠玉記事」を参照させて頂きました。
https://bionet.jp/2018/02/13/suzume/2/
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