「百連発ピストル」懐かしのブリキ玩具
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ142枚目
男の子なら皆んな遊んだ百連発ピストルだ。
駄菓子屋で売っており、価格も安く子供にも買える玩具だった。
火薬のついた紙テープを巻いたものを上の絵のように装填して引き金を引くと実際に火薬がパンパンと爆発し、子供ら同士で撃ち合って遊ぶのだ。
それまでのオモチャは形こそ拳銃だが、実際に音が出る訳ではなかったので、子供達は自分の口で「バン! バン!」と言いながら遊んでいた。
それに比べれば、これは火薬の匂いも臨場感があり、僕らを一時喜ばせた。
だが、世の中不思議なもの・・・
この百連発ピストルには意外な欠点があった。
子供同士で、これを使って撃ち合っていると何故か面白くないのだ。
何というか・・・、つまり子供同士のコミュニケーションがない。
口で「バン! バン!」とお互いに叫びながら拳銃ごっこをする方がある意味では楽しいのだ。子供ながら若干の気恥ずかしさはあるのだが・・・
百連発ピストルは、この後プラスティック製で実際に弾が出る画期的な玩具「銀玉鉄砲」が登場すると、あっという間に子供達に顧みられなくなる。 子供達は厳しいのだ(笑)
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