タバコの時代/昭和
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ215枚目
昭和はタバコの時代だった。
昭和41年の喫煙率はなんと83.7%*!
大袈裟ではなく、みんなタバコを吸っていた (o^^o)💦
「タバコはカッコイイ」が通用した時代だ。
僕も昔は吸っていた。
昭和の街角にはタバコの吸い殻がどこにでも落ちていた。
神社、仏閣、公園、映画館、電車の中、バス停、、、
食堂やレストランのテーブルにもごく普通に灰皿が置かれていた。
新幹線の座席にだって肘掛けの所に小さな灰皿が設置されていた。
今では考えられないようなことだ。
新幹線の中!(笑)
タバコというのは面白いものだ。
封を切って取り出した1本の紙巻きタバコは実に美しい。
スラリと伸びた真白い姿で、いい香りもする。
だが、それは吸い終わると全く情けないものに堕落する。
ぐにゃりと捻じ曲げられたその姿は、どこか意地汚く、見苦しく、街角や路地裏に打ち捨てられて散らばっている吸い殻などは、この世の汚れの象徴の如きものだ。
平成、令和と時代は移り、世は次第に健康志向に変わっていき、あの街角の打ち捨てられた吸い殻達も姿を消していった。
2002年に東京の千代田区で日本で最初の歩きタバコ禁止条例が発令され、すぐに東京では喫茶店でもタバコを吸えなくなった。
コーヒーを味わいながら煙草を燻らす喜びも古いダンディズムになった。時世は変わる(笑)
酒場でもタバコは名脇役だった。
相手が咥えたタバコに火を付けたり、付けられたりするのも小さなコミュニケーションで、タバコはどこか男と女の夜の嗜みのような所があった。
「いい時代だったね」
何処からか、そんな声も聞こえてきそうだ (笑)
令和5年現在の喫煙率は16.7%。
昭和41年の統計のほぼ真逆になっている。
ちなみに僕は50過ぎにタバコをやめた。
もうひと昔も前だ。
グッバイ、シガレット。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?