お餅の思い出
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ264枚目
昨年末にも火鉢の記事でお餅のことを書いたが、子どもの頃は本当によくお餅を食べたものだ。僕はお餅が大好きだ(笑)
この歳になると人生全体で子どもの頃の方が圧倒的に短いのだが、お餅を食べた記憶の大半が何故か子どもの頃のものだ。
その殆どが祖母や母親と火鉢の炭火で焼いた餅の記憶で、本当にあれは美味しかった。
我が家は母方の在所の農家に頼んで餅をついて貰っていた。
小机ほどの大きな板状の餅が届くと二、三日おいてから四角く切り分ける。
柔らかすぎても切りづらいし、固くなってしまうと今度は切るのが大変な作業になるので頃合いを見て切る。それは子どもの僕が担当だった。
今時のパック餅より大きく切った記憶がある。5〜6センチほどの大きさだったろうか。杵で突かれたその農家の餅はよく伸びて味も良かった。
雛祭りの頃になると、近所で菱餅を買ってきて焼くのだが、これは見かけほど美味しいものではなかった。余計なもの(着色料)が餅に入っていたり、そもそも機械突きの餅だったからだ。
ちなみに日本では角餅の地域と丸餅の地域があるが、その境は古戦場で有名な岐阜県関ヶ原辺りという。たまたまだが、僕の生まれた岐阜の街から西へ30キロほど行ったところだ(笑)