創作#6 春眠に 抗う剤は ビターかな【ショートショート】
春眠に 抗う剤は ビターかな【ショートショート】
アジアのある都市で「春眠」という新種ウイルスが発見された。
そのウイルスに感染すると、いつでも春の陽気さに包まれ、良質な眠りをもらたす。とても恐ろしい症状を引き起こす人類にとっては未知のウイルスだった。
このウイルスはまたたく間に世界中に広がり、世界中の人々に感染し、人々は、それだけで満たされるようになってしまった。人々は自宅から一歩も出ることがなくなり、世界中の都市が街がゴーストタウンと化した。
ルナ・リュミエールは国の研究所の責任者でこのウイルスのワクチンを開発している。でも世界の行方がかかったワクチンの開発は思ったように進まなかった。ルナの中の焦りは次第に大きくなっていく。
「世界中の人々が仕事もできずに苦しんでいるんだ。一刻も早くワクチンを完成させないと。寝てなんていられない。」
ルナは、コーヒーとチョコレートでカフェインを摂取しながら、不眠不休でワクチンの開発を続ける決意をする。
ワクチンは無事に完成できるのか?
世界はこの春眠に打ち勝てるのか?
そして、ルナは安心して眠ることができるのか?
世界の命運はルナにかかっていた。すべてはルナ次第。
だからこそビターで眠気に抗いながら、ルナは今日もワクチンの開発を続けていく。
春眠暁を覚えず
だいぶ暖かくなりましたね。もうすっかり春。
おかげで「春の夜は眠り心地がいいので、朝が来たことに気づけずつい寝過ごしてしまう」といった毎日です。
これってウイルスなのかも(つまり私のせいじゃない)?という着想と世の中の不条理を組み合わせた創作です。
それにしてもルナ(瑠奈)面白いいいキャラクターになってきた。
次も楽しみです♪
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