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ASDの感覚過敏は言語指示理解にどう影響するか
今回参考にした論文はこちら↓
雑誌名:Developmental Cognitive Neuroscience
Impact Factor:5.811
※内容は個人的な見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。
自閉症の感覚過敏
感覚過敏(以下,SOR)は予期せぬ音や触られるなどの刺激に極端に過敏に反応する障害像である。
感覚過敏は、自閉症によくみられる所見であり(約56~70%とされている)、特に社会的な行動や適応行動などとの関係性があるとされている。
最近の神経画像による研究では、一次感覚処理領域、扁桃体や島皮質などの情動、注意に関する領域において、
軽度の不快な感覚刺激に対する過剰反応や慣れの低下に関連していることが示されている。
この研究にも関わる内容であるが、言語的コミュニケーションの意図を解釈する事が必要になる課題(皮肉を言われた時など)における脳の働きを先行研究で調査医している。
その際に、定型発達の子どもでは、内側前頭前皮質と側頭葉の領域で有意な活動を示したが、ASD児ではその領域に反応を示さなかった。
しかし、発信者の表情や声のトーンに注意するように指示された場合、ASD児は内側前頭前皮質の活動を増加させたが、定型発達児では引き続き側頭葉の活動を増加させていた。
以上の結果から、ASD児は、話し手の曖昧な意図を推測するために、
顔、韻律(子音・母音の配列の仕方)、文脈の手がかりを統合することが困難であるが、
声の顔などに注意を向けるよう明示的に指示することで、定型発達児では通常に活動する内側前頭前皮質のような統合的処理を可能にする領域の活動がより大きくなることが示された。
本研究で検討されたことは以下の3点。
視覚的・聴覚的な社会的手がかりを統合し、話し手のコミュニケーションを相互に振り分けることが要求される社会的認知課題において、軽度の不快な触覚情報が脳の活性化に及ぼす影響について
話し手の表情や声のトーンなどから伝わる重要な社会的手がかりに注意を向けるように明示的に指示することで、感覚注意に対する散漫さが緩和されるかどうか
感覚過敏において、注意散漫な感覚刺激がある場合とない場合で課題中の脳反応の変化とどのように関連しているか
研究の結果
検討事項1について
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