#112 読書記録 「無事、これ名馬」
2022.8.14.
休日などというものは、一瞬にして終わるなぁ。
さて、昨日の続き。
私が母から勧められた時代小説について。1冊目は「銀二貫」↓
もう1冊は、「無事、これ名馬」である。
私が一番いろいろ考えさせられたのは、題名の「無事、これ名馬」という言葉である。本を紹介されたときには全く意味が分からず、読んでいる途中でも調べることもせず、読み終わった上で意味を調べたところ、「あぁ…」となった。
「無事之名馬」は、病気や怪我もなく第一線で活躍し続ける馬こそが名馬なのである、という意味で使われる。馬だけでなく、スポーツ選手などでも同じことが言えるだろう。いかに才能があっても、ケガばかりして出場できなければ、名選手とは言えないということだ。
もうこれね、本当にワーカーホリックだと思うけれど…教員のことを考えてしまう。
隣の芝生が青いのだ。
校内を回ると、静かに集中している学級、生き生きと学習に取り組む学級、聞く姿勢ができている学級、なんだか楽しそうな学級…。
特に授業力の高い人を見ると、羨ましいなぁと思わずにはいられない。
研究授業でうなるような授業をするエースみたいな人、
指導力のある人、
仕事がめちゃくちゃ速い人、
本とか出版しちゃう人、
そういう人のことを「名馬」だと思っていた。
だけどこの無事之名馬という言葉は、
学級がいつもガチャガチャだろうと、
いじめが起きようと、
保護者から厳しい言葉を言われようと、
何度職員室で涙しようと、
絶対に年度が終わるまではこの学級を手放してたまるかと足掻き続けた自分に、
「それもまた名馬である」と言ってくれるようなステキな言葉なのだ。
…なんかこれだと、どんだけ大変だったんだよ教員の仕事、と思われそうな文章だな。もちろん楽しいこともやりがいもいっぱいあって、単に私が問題意識と向上心が高いというだけ。
もちろんホワイトな職場もいっぱいあるけれど…でも今、これだけ仕事に疲弊したり心を病んでしまったりする人がいる中で、健康で年度末まで仕事を全うできるってそれだけですごいことなんだと思う。
特に初任の人とか、もうすごいことでしょ。
そしてさらにそれを、定年まで走り続けた方々のすごさなんて、言わずもがな。
まぁ私は途中で抜けてしまったが、今もなお悩みながら仕事を続ける方々には、ぜひこれからも健康で楽しく走り抜けていただきたい。