恋ばかりだと脆くなるが、恋してないと弱くなる。
もし、あと1ヶ月で死ぬとわかっているならば、どんな日々を、誰と生きるだろうか。
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最近読んだ本たちから考えたことがあったので、備忘録がてら、最近の私と共に残しておきたい。
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1冊目の本は、凪良ゆうさんの『滅びの前のシャングリラ』。
1ヶ月後に小惑星が地球に衝突し、人類が滅亡する、そんな状況に陥った時、人はその最後の1ヶ月をどう生きるかを描いた本作。
『明日地球が滅亡するなら何をする』は誰しもが1度は考えたことのある議題だろう。
その時、大抵の人は、美味しいものを食べたいだとか、旅行したいだとか、平和で理想的な回答を語らい合う。しかし、本作では社会秩序が崩壊し、強盗や殺人が頻発し、荒廃していく世界が描かれていて、そこが妙にリアルに思える。
読み進めていくうちに気がついたことがあった。
それは、登場人物全員が最後の瞬間を、自分が1番に愛している人を想いながら過ごしているということ。
中でも印象的だったのは、
母は愛する子と過ごすことを選んだが、子は母ではなく、自らが想いを寄せる子と最後の瞬間を過ごすことを選んだ。
恋を知った人間は、どうしたって恋に生きてしまう。
題材的には場違いかもしれないのだが、この本を読んだ時私はそのことを1番に思ってしまった。
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2冊目の本は、朝井リョウさんの『正欲』。
本作で、テーマになっているのは「多様性」。自らの定規で測りきれない多様性という概念について考えさせられることが沢山あった。多様性を謳う現代の世間の矛盾を突きつけられる1冊だった。
しかし、この本を読み終えた時、もうひとつのテーマだと感じた『つながり』の部分が、今の私の心から動かなかった。
人は、誰かと繋がっていないと、自分をこの世につなぎ止めてくれるストッパーがいないと生きていけないんだと、私はこの本を読んで感じた。
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人間はどこまでも弱く、1人では生きていけない。
その典型的な代表例が、恋をするということだと思う。
『恋してないと、弱くなる。恋ばかりだと、脆くなる。』
これは以前読んだ本の表紙に描かれていた言葉。
なんて、なんて、的を得た言葉なんだと思った。
恋ばかりだと、視野が狭くなり世界の中心が相手の元にあるように感じる。相手に頼りすぎる日々が続くと、その瞬間は幸せでも、自分を擦り減らす時間も増える。時には、相手の言葉一つで自分の世界がぼろぼろに崩れてしまうくらい脆くなる。
恋をしないと、自分に費やす時間は増え、心が穏やかな日は続く。そこに充実感を感じることもたくさんある。
しかし、一度誰かから愛されることの幸福度を知ると、1人でも楽しいという、本心でもあり強がりでもある言葉を抱きつつも、どこか日常が物寂しく、孤独に感じてしまう瞬間も生まれる。
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今の私は、少し弱い。
地球滅亡の瞬間に想いたい相手がいなくなって、暫くが経つ。
いつかまた、そんな人に出会えるのだろうか。
きっと出会えるだろうとは思いつつ、そんな存在が自分にとって如何に稀有なものであるかを思い知る日々が続いている。
1人は気楽で楽しいけれど、たまにどうしようもなく誰かの温もりに触れたくなる。かといって、すぐに誰かに縋るほど軽々しく動けない。
ああ、神様はなんでこんなに面倒な生き物を作ったんだ。そう思う日もある。特にこんな深夜には。
まあでも生まれてしまったものは仕方がない。
恋を知ってしまったのだから仕方がない。
誰かとのつながりを求めて生きていくしかないんだよな。
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纏まらないですよね。
でもこんなnoteもあっていいですか?
最近の私の心たちを並べたら、少し視界がすっきりしてきた。
同じように感じている人に出会えたらいいな。
一人で生きいけない弱い心を抱えて、人との繋がりを求めて言葉を描きながら、今も私の日々を漕いでいる。
柚。