出汁を取って作ったそばつゆが美味しくて
今日は、雪のせいもあり、夫がリモート勤務になった。お昼ご飯を用意しようと思ったけれど、乾麺のお蕎麦くらいしかない。具も大したものがない。せめておつゆくらいは…と思い、久しぶりに鰹節で出汁を取り、そばつゆを作ることにした。
沸騰した鍋に鰹節を入れてしばらくすると、ふわっと立ち上る出汁のいい香り。久々の香りに、うわぁーとテンションが上がって、思わず鼻からめいっぱい吸い込んだ。幸せー♡
そして、私は思い出す。顆粒のだしからは得られない、この幸福の香りが実家では日常であったことを。
それは、あまり細かいことを言わない父の、数少ないこだわり。汁もののダシは顆粒だしだけでなく、必ず削りだしなども併用すること。地域的に、イワシ削りが多かったけれど、多分そこはそこまで重要でない。今も実家に帰ると出汁の香りで一瞬で癒されて満たされる。
小さいころ、“これは、入れなきゃダメなの?”と訊いた私に、“だって、この方が香りがいいでしょ。粉末のだけじゃ、こんなにいい匂いにはならないから、入れなきゃダメ”と、あまりにきっぱり、当たり前のように言った父。
母も、“ねー、めんどくさいんだけど、このひと手間があるのとないのとじゃ、全然違うからねー”と、全然めんどくさがらずに毎日出汁を取っていた。
それなのに、私と来たらどうだろう?大して忙しいわけでもないのに、顆粒だしだけで済ませて、ちゃんと出汁を取るのは、年にせいぜい2、3回。毎回、今回のように感動して、“あー、やっぱり違う!もっとちゃんと出汁を取ろう”と思うのに、思うのに…。
やっぱり、出汁をしっかり取ったそばつゆは美味しかった。夜の味噌汁も出汁を取って作ったら、息子が「あ、今日の味噌汁、いい匂いがする!」と言った。おっ、ちゃんと分かるんだ…と目からウロコ。どうせなら息子にも、出汁の味を“懐かしい”と思ってほしい。まだ間に合うかな?まだ間に合うよね?削りぶし、今度たんまり買ってこよっと。