読書② ~階層化によるオフェンスメモ術~
前回記事では、読書の目的についてお伝えしました。今回は、読書の<方法>について紹介します。
●読書メモの2つの機能 ディフェンスとオフェンス
私は読書の方法は、<メモ>に現れると考えます。
皆さんは読書メモを何のために作成しているでしょうか。一般的には、学んだ内容を文字に起こしてそれをいつでも確認できるようにすること。つまり【事後の整理】のために使っているのではないでしょうか?
しかし、毎月20~30冊読書をしてきたこの一年間ほどで、【事後の整理】のためのメモの効用に疑問を持ち始めてしまいました・・・
今回は、よりアクティブなメモの役割について紹介させていただきます。【事後の整理】のためのメモは、既に理解・吸収知識が漏れ出すのを防ぐためのディフェンスです。
今回紹介するのは、知識を能動的に取りに行くための【オフェンス】メモです。一応最初に結論から整理しておきます。
①学習中の自分の立ち位置を把握する【オフェンスメモ】
②手に入れた知識を取りこぼさないように整理する【ディフェンスメモ】
●オフェンスメモの機能 ~自分を迷わせず、筆者の脳と繋がる~
結論: オフェンスメモを取ることで、読みを加速させる。メモは【事後】ではなく、【最中】が肝心。
次の写真はマインドノードと言うアプリを使って作成した読書メモです。各章ごとに階層、または自分なりに解釈した項目ごとに階層立てて書くようにしています。
このままでは、当書籍を読んだことがない人には説明がしづらいので、もう少しわかりやすい形で、説明したいと思います。
題して、「架空書籍: たべもの」
では行ってみましょう!
これは「食事と健康」を題材とした架空の書籍です。
第1章は、「肉」の話です。その具体例として、牛肉、豚肉、鶏肉が挙げられています。同様に第2章は野菜、第3章は魚です。
このような階層立てた構想を常に意識していくことが、読書にとっては大変重要になります。当たり前のことですが、階層構造理解しないままに読書を続けると、どう言うことが起きると思いますか?
例えば、第2章で筆者が伝えたいこと(=主張)は「野菜の重要性」だったとしましょう。筆者は野菜の栄養素と体への影響を説明していきます。すると、ふと、「野菜はあまり美味しくないと感じる人もいるから、より手軽な摂取の仕方を紹介しよう!」と思いつきます。そう、「鍋」です。
筆者によっては鍋のついでに、「体を温めること」の健康効果についても、触れたくなってしまうかもしれません。こうして、連想ゲームが進み、「冬のおすすめグッズ」>「ストーブ」「こたつ」・・・というふうにどんどん細部の話になってきます。
●迷い込む読者
さて、この本のテーマは何ですか?
「健康な食事」でした。このようなシンプルな構成の本であれば、問題ありません。流石に食事の話から、「こたつ」に話題がすり替わっていることに気づかないまま進んでしまうことはないでしょう。
しかし、実際の書籍はもっと複雑かつ、長いのです。読み進めていくうちに、詳細の中の詳細、袋小路に追い詰められて、自分が今どんな大枠の中で学習していっているのかがわからなくなってしまいます。このような主張と具体例の混乱が起きてしまいます。
さらには、「鍋」の話には「牛肉」も出てくるのですが、牛肉の価値は3つの根拠を伴って1章で説明されているとしましょう。この牛肉の話ががどこにあるかをすぐに理解し、その場で確認できるというのもこの【構造メモ】のおかげです。このメモを作成するアプリはmind nodeと言って、誰でもすぐに使いこなせますので、試してみてください。
マインドマップならではの良さ
ちなみに、これをテキストデータで文字起こしをすると、こうなりました・・・
章や項目ごとの関係性がとても理解しづらいですね。その上、上から下までスクロールしていくうちに、最初に何が書かれていたのか、見づらいですよね・・・
左から右へ、上から下へと書く通常のメモではなく、構造メモを使いこなすと、もちろん【事後の整理】にも役立ちますが、なによりも【最中のガイドマップ】として、自分の理解を超パワフルに推し進めてくれます。このガイドマップを作成しながら読むことで、筆者の脳みその中とリンクすることができるのです。
それが、冒頭でお伝えした【オフェンス】としてのメモたる所以なのです!
このようなマインドマップアプリは複数種類あります。無料のものもありますので、ぜひ試してみてください。デジタルのマインドマップならではの圧倒的な編集のしやすさが体験できると思います。人生変わります。
私自身、【理解した内容をまとめる】のがメモと考えていましたが、【理解することにもメモが必要】ということに気付かされました。言い換えれば、【メモがなければ理解に支障をきたす】わけです。
もう一度まとめます。
①学習中の自分の立ち位置を把握する【オフェンスメモ】
②手に入れた知識を取りこぼさないように整理する【ディフェンスメモ】
オフェンスメモは、構造化が命。マインドマップアプリ等を活用しましょう。
さて、次回は、デジタルメモとアナログメモの違いについて私なりの見解を述べていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!