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ぶっ飛んでいるのに共感できるのは、きっと私もぶっ飛んでいるから。 〜「丸の内魔法少女ミラクリーナ」を読みました〜


妻の本棚から、一冊の小説を借りた。

「その小説、あんまり面白くなかったよ。」

小説を読むのには時間がかかる。
面白くないと定義づけられた物語を読むことに、時間を費やすのも癪だ。

だが不思議と、私のページを捲る手は止まることなく、最後の1ページまでを捲り続けた。

感性の違いだろうか。
確かに、好き嫌いが分かれる小説だろうなとは感じた。
私は明らかに好きな側の人間なのだけど。

4編の短編が収録されていて、どれもが「ヤバい」人間をテーマにしている。
「ヤバいなぁ」と思いつつ、どこか共感してしまっている自分。そんな自分も、実は「ヤバい」人間なのかもしれない。

妻にはこの本が面白かったことを内緒にしておこう。
私がヤバい人間だと、悟られないように。

この本が多くの人に読まれ、共感を生んでいる事実に安堵感を得られる。
ヤバいのは私だけじゃない。
人間なんてそもそもヤバくて当たり前とも言えるかもしれない。

「やって確かめる」ことの大切さを学んだ。
面白いよと勧められた本はもちろん、その本は面白くないよと釘を刺されてもなお、その面白くなさを確かめてやるくらいのノリで、「とりあえず」読んでみたい。

何が人生を変えるかわからない。
きっと私の幅が少し広がった。
素晴らしい読書体験だったなと改めて感じている。

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