全員が殺人鬼に思えてしまえて面白い 〜「レモンと殺人鬼」を読みました〜
くわがきあゆさんの「レモンと殺人鬼」を読んだ。
登場人物が皆んなどこかおかしい。
端的に言うとヤバい。
だから全員が疑わしくなって、どんどん楽しくなっていく。
ページを捲る手が止まらない。
特に後半で主人公のキャラが一変していく様が印象的だ。
虐げられるものから、虐げるものへ。
腹を括り、開き直ってしまった人間の怖さを改めて感じた。
誰しもが苦しみを抱えて生きている、わけではないのかもしれない。
与えられる人もいれば、与えられぬ人もいる。
自分は後者だと諦めて生きられる時期もあれば、なんで自分だけこんな人生なのだろうと怒りに支配されることもある。
生まれながらの殺人鬼はいない。
人はふとしたタイミングで、たった一つのボタンのかけ違いで、殺人鬼になってなれてしまうものなのかもしれない。
読書の秋に一気読み。
やり切れない気持ちと驚きの感情と、レモンから想像するような爽やかさはきっとないけれど、とにかく面白い一冊です。
是非読んでみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?