見出し画像

息苦しさの中でも生き苦しさの中でも、息して生きていようと思えた。〜「息」を読んで〜


小池水音さんの「息」を読んだ。

テーマは暗い。
登場人物は皆苦しみを抱えて、ハッピーな息遣いは聞こえてこない。

けれど、読後に残るのは、今生きていることへの感謝だ。
当たり前に息をして生きていられることの奇跡を、改めて感じさせてくれる。

人との繋がりも然りだ。
人はいつか死ぬ。
私も死ぬし、妻も死ぬし、両親も死ぬ。
それはいつになるかわからないし、どんな順番になるのかもわからない。その時にどんな感情に包まれるかなんて予想だにできない。

別れがある。
だからこそ、今を大切に思えるのだし、大切にしなくてはならない。同じような日々が繰り返していくけど、同じ今は決してやってこない。

息を吸う。息を吐く。
当たり前に意識を向ける。スポットライトを当てる。

暗がりの中で隠れていたけど、私の日常の中に確かに感謝や幸せが存在している。
それをこの本が照らし出してくれた。

息して生きていこう。
この息が止まるまで、与えられた人生を大切にしていこう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?