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夢中になれる何かを探していこう。 〜「エヴァーグリーン・ゲーム」を読みました〜

石井仁蔵さんの「エヴァーグリーン・ゲーム」を読んだ。

本作品の題材はチェス。
私はルールを知らないし、やったこともない。
将棋ならあるけど。
だけど、文字を読むたびに脳内で駒が動き出す。躍動して物語を紡いでいく。

そんなことやって何になるの?
意味あるの?金になるの?
チェスだけじゃなく、何かに打ち込む人間を揶揄するためによく聞く言葉たち。

楽しいから。
これが生きがいだから。
胸を張って、他人の戯言なんて無視しながら生きられる人間は美しい。

本書の登場人物たちも、それぞれに葛藤を抱える。
チェスに魅せられながらも、才能に打ちひしがれたり、見えない未来に恐怖を抱いたりする。
でも最後には、結局「好きだから」チェスをやり続ける。

誰がなんと言おうと構わない。
自分が満足できる生き方、このために生きてる、このためなら死ねると思える何かに出会いたい。
そのために、まずは今の自分が興味のあること、少しでも楽しいと思えることを追求していくことが大切なのだと思う。

本書を読んで、よしチェスを始めよう!とは私の場合ならなかった。
その代わりと言ってはなんだが、今自分が楽しいと思えることを大切にしていこうと強く思えた。

筋力トレーニングをする。
ランニングをする。
小説を読む。
バラエティを見る。ラジオを聞く。

今の私が楽しいと思えること。
そこに人生を費やすことに何の意味があるの?と人は言うだろう。
言わせていけばいいし、そんな言葉は耳に入らない。

大切に思うもの。やりたいこと。人生の意味。
みんな違う。自分にとっての大切を見つけられるように、今を大切に生きていけたらいい。

何かに打ち込むことの素晴らしさ、それに人生を浪費することの尊さを学べた、素晴らしい一冊でした。
是非みなさん読んでみてください!

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