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普通の人間なんてこの世界にはいないから。 〜「こちらあみ子」を読みました。〜


今村夏子さんの「こちらあみ子」を読みました。
数年前にアメトークの読書芸人で紹介されていた本で、映画化もされているようです。
ずっと気になってた本で、やっと読むことができました。

主人公のあみ子が超絶に変わっています。
そこに対する周囲の反応。

僕はあみ子ほど変わっている人間ではないと自負しているので、どちらかといえば周りの人間の視点から読書を進めていた気がします。
こんな子が近くにいたらキツイよな〜、大変だろうな〜。みたいな。
僕はずるい人間なので、きっと向き合うことなんてせずに、うまく自分の人生と交わらないようにして生きていくのかもしれません。

無垢で変です。
やることなすこと変なのですが、そこに一抹の悪意すらないのです。

変な人を変だと感じるけど、変だと言えるほど、自分は普通なのかなってふと考えます。
もしかしたらその変が世界の主流であって、変だと感じている自分の方が変である可能性だって大いにあるわけです。

だって、人間の見えてる世界なんてほんの一部でしかないから。
大人になって人生や人間がわかってきた気がしていても、それはあくまで自分の人生の中でしかなくて、ほんの狭い視野の中で見えた景色でしかないのかもしれません。

あの人は普通じゃないからそっとしておこう。
そんな色眼鏡を外して、人生の幅を広げていけたらいいなと思います。

読書だって、そのためにしているのかもしれません。
自分の人生という制限から自由になって、みんな普通だしみんな変だね!と理解できたら、きっとこの人生はもっと生きやすくなるのだと思いました。

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