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人生なんて曖昧でいい。虚構だもの。〜「夜果つるところ」を読みました〜

恩田陸さんの「夜果つるところ」を読んだ。

「鈍色幻視行」の物語に出てくるいわば作中作品で、まずその仕組みが面白いなと感じた。

虚構の中に存在する虚構の物語が、こうして現実には存在する。
なんだか訳がわからなくなるが、人生とはそんな曖昧なものなのかもしれない。

著者がインタビューで「曖昧な状況に耐えるのが人生」という言葉を残していた。
そして「真実は虚構にしかない」とも。

白黒つけられない人生だ。
曖昧な状態を、どちらかに振り切ろうと無茶なことをするから余計にしんどくなる。

曖昧なものは、曖昧なままにしておけばいいのだ。
それこそ、虚構だとゆうことにしておいて。

現実と虚構。
こうして現実に存在する虚構の中の虚構。
うん。いい感じに曖昧だ。

私が人生しんどくなった時に、唱える言葉がある。
「人生とは、虚構である」

これはフィクションだ。
作られたものだ。
作者は知らないけど。どうせ神様とかだろう。

この作られた人生という虚構の中を、ただ生きていく。
そもそもが完璧じゃない作り物だ。
曖昧な部分があって当たり前だし、この曖昧さが人生だと思えば楽になる。

今日も生きていよう。
この虚構の中を、ただ泳いでいよう。

曖昧でいい。虚構なのだから。
なんだか勇気をもらえた気がする、素晴らしい読書だった。

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