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どうか苦しむ人たちが救われる世界でありますように 〜「やさしい猫」を読みました。〜


普通に生活できることは実はとても幸せだ。

物語の外国人のように、普通に生きることが制限されてしまう人もいる。

制度のせい。組織のせい。国のせい。

問題が存在するのは理解できる。
その問題をすぐに解決することはきっと難しいし、当事者はやり切れない気持ちで日々を過ごしているだろう。

このような問題が現実に存在しているということを理解できただけで、この本を読んだ意義があったなと思う。

僕に何かできるだろうか。
きっと何もできないだろう。
署名に協力するとか、辛そうな人に優しくしてあげるとか、せいぜいそのくらい。

どうしようもない問題がこの世界には存在している。
そこで苦しむ人たちが確かに存在している。

この問題を取り上げて一つの物語にした作者をとても尊敬する。
この物語を読んで多くの人が問題を共有することで、少しずつ世界は変わるのではないか。変わると信じたい。

きっとこれだけじゃない。
世界には問題が山積みだ。

全てをどうにかしようとしなくていい。
自分が気になること、おかしいだろうと理解に苦しむことには、積極的に声を上げられる人間でありたい。

幸いなことに、現代はこうして言葉を発信する機会が多くの人に与えられている。

不平等に苦しむ人が少しでも減りますように。
普通の生活を普通に享受して、多くの人が幸せに生きていられますように。

僕にできることは祈ることくらいかも。
でもそれでいい。
祈るべき対象が存在している。苦しみながら生きている人がいる。

大切なことを学ぶことができた、素晴らしい読書体験だった。

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