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苦しみをありがとう。苦しんだから、いつか誰かに寄り添うことができる。〜「宙ごはん」を読みました〜

町田そのこさんの「宙ごはん」を読んだ。

人間色々あるよなと、改めて思った。

人と人との関わりの中で、苦しみが生まれる。
苦しむ人を可哀想だと思うけど、その人を苦しめる人もまた、苦しみを抱えている同志なのかもしれない。

誰かに苦しめられる時、その人の背景を少しだけ想像できたらいい。

この人がこんな行動をとることには、何か理由があるのだろう。
善意のかけらも見られない人間だけど、本当のこの人はこんな悪い人じゃなくて、色んなことを乗り越えてきた結果、今のように捻じ曲がった心を持ってしまったのだと。

背景をイメージできれば、その人に対する負の感情が少し和らぎ、自分自身のストレスも少し軽減される。
想像力を持ち合わせることが、軽やかに生きていくコツかもしれない。

全ての人を幸せにすることなんてできない。
関わりを持った人、縁があった人のためには何かをしてあげられる人間でありたい。

本書に登場する人たちは皆苦しみを抱えながら、同じく苦しんでいる人に対して手を差し伸べる。とても他人のことを考えている余裕なんてなさそうなのに、できる限りの最善を尽くそうとする。

苦しい時ほど、苦しむ人に何かをしてあげられる人間でありたい。
情けは人のためならずじゃないけど、誰かのために行動することこそが、自身を救う唯一の方法かもしれない。

苦しみを抱えた人生は辛い。
でも、その経験を乗り越えた人間は、痛みを知っているからこそ、同じく苦しむ人に優しくできるはずだ。

私もそうでありたい。
悩んだこと、心が死んでしまいそうになったこと。それは決して恥ずかしい過去なんかじゃなく、誰かを救うなくてはならない経験だったのだと今は思える。

誰かのために生きていこう。
苦しみを与えてくれた神に感謝だ。
この苦しみを味わうことがなければ、他人の痛みを想像することなんてできなかった。

今苦しみを抱えている人、悩んでいる人、生きるのが辛い人。先のことなんて考えている余裕はないかもしれないけど、全ては伏線なんだと私は思います。

今の苦しみは、いつか誰かを救って幸福を感じるための伏線。
目の前の現実は変えられないけど、解釈なら変えられる。
意味がある。無駄なんかじゃない。
そう信じて、いつかの明るい未来へ向けて、とにかく今を生きてみようと思います。

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