「生殖記」を読んで、自分という存在について理解が深まった話。
朝井リョウさんの「生殖記」を読んだ。
人間という存在について考えさせられ、理解が深まる一冊。
小説としては勿論、哲学書のような感覚でも楽しく読ませていただいた。
人間なんて所詮動物であり、生存して繁栄していくことが目的として刷り込まれている。
だから人は結婚して子供を産み育てる。
子育てが大変だ。パートナーに不満がある。
そう言いながら、レールから外れることに比べたら楽だから、大きな流れに身を任せる。
自分の人生を考える。
結婚して、子供を育てたいなと思う。
それは100%自分の中から湧き出た純粋な感情だろうか?
いや、そんなことはない。
社会の圧力。世間の目。
人間である以上、無意識のうちに大きな力によって人生を操られている。
それでいいとも思う。
だけど、そのレールを進まない人や、そもそも進むことのできない事情がある人への理解や配慮は、しっかり持ち合わせていたい。
多様性が謳われるこの世界で、結局多様になれない人間という存在。
本書を読んで人間を理解することが、あなたの人生を少しだけ生きやすくしてくれることを願っている。