なんか死生観について考えちゃった。 〜「アヒルと鴨のコインロッカー」を読みました。〜
伊坂幸太郎さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」を読みました。
2年の時差がある2つの物語が交互に進んでいき、それがバチッと合わさって謎が解けていく、気持ちいい小説です。
カットバック形式と呼ぶらしいです。
切なさもあり、時々ふと笑える文章もあり、楽しく読み終えました。
文章でトリックを仕掛けられる才能が素晴らしすぎです。
登場人物にブータン人が出てきます。
ブータン人は「生まれ変わり」を信じるようです。
この人生が死んで終わったとしても、どこかで生まれ変わって人生は続いていく。
だから哀しいことなんてないんだ。
だけど、大切な人が死ぬことに、哀しみを感じます。
なんで哀しいんだろう?哀しむことなんかじゃないのに。切ないです。
この小説には動物を虐殺するシーンも出てきます。
道端で、車に轢かれてしまった動物を見ることがあります。
僕はそんな時、車とぶつかる一瞬前に魂が抜けて、今頃天国で楽しく暮らしているんだと考えることにしています。
大切な人も同じです。
この世界で死んだとしても、天国でまた会える。
だから寂しくなんてない。
この世界で生まれ変わるんじゃなく、どこかにある天国できっと私たちは生まれ変わる。
そしてそこでまた出会える。
先に旅立ったバァちゃんも、愛犬のさくらにも、あっちの世界で会える。
だから今は、この世界で与えられた人生を楽しもう。そしてこの世界でのお土産話を、あっちの世界で聞かせてやろう。
話が飛びました。
でも、こうして人生について考えるきっかけとなるのも、小説の良いところですよね。
面白いので是非読んでみてください。
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