比べちゃうよね。生きづらいよね。だって人間だもの。 〜「森に眠る魚」を読みました。〜
角田光代さんの「森に眠る魚」を読みました。
ママ友の関係を描いた作品。
みんな色々抱えて大変だよなぁと思いました。
最初は仲が良かったママ友たちが、お受験などの価値観の違いから徐々にすれ違っていきます。
自分は自分。他人は他人。
そう割り切って生きられたら楽なのに、人間はどうしても他人と比べてしまう生き物だと思います。
そして比較の先に幸せは待っておらず、大抵は自己嫌悪に陥ったり、不安がより大きくなってしまったりします。
文章の中で、「日常に身をまかす」という表現が出てきて、すごく腑に落ちました。
朝起きてご飯を食べて仕事へ行き帰ってシャワーを浴びてご飯を食べて眠る。
日常をただ生きていれば余計なことを考えなくていいし、結果として楽なのです。
色々考える。他人と比較してしまう。
そんな自分が嫌いになる。誰も信じられなくなる。
ママ友たちの姿から、人間の弱さを感じ、「みんな同じなんだなぁ」と少し安心した気持ちも生まれました。
他人と比較してしまう自分を責めてしまうけど、本当は責める必要なんてないのです。
だってそれは、人間として「自然な反応」だから。
比べてしんどい。
でも比べるのをやめられない。
比べちゃうよね。
人間だもの。
仕方ないことを仕方ないと割り切って、とりあえず日常に身を任せて、今を生きていればいいのだと思いました。
他人と比較して生きづらさを感じてしまう人は、ぜひ読んでみてください。
きっと自分だけじゃないと思えて、少し心が軽くなるはずです。
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