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言葉にするって大切だ。〜「クロコダイル・ティアーズ」を読みました。〜

雫井脩介さんの「クロコダイル・ティアーズ」を読んだ。

人と人との関係は難しいものだと感じた。

ほんの少しのかけ違いでその人を信じられなくなり、いとも簡単に人間関係は崩れていってしまう。

家族であってもそうだろう。
同じ環境で共に時間を過ごすからこそ、一度不信感を抱いてしまったら、心穏やかに生活を営むことはできなくなってしまう。

私の現状はどうだろう。
特に妻に不信感を抱くこともなく、わりかし穏やかに生活を営めているのではないか。
そしてそれって当たり前のようだけれども、実はめちゃくちゃ奇跡的なことなのではないだろうか。

本作では嫁と姑の関係が描かれている。
元々他人同士なのだから、多少の気遣いや気疲れがあって当たり前だ。

私の母も、姑との関係に悩んでいたと聞く。
姑が仮に善意で嫁に注意したとしても、それをどう捉えるかは嫁に委ねられていて、大概の場合はネガティヴな方向へと進んでいくのではないか。

本当は姑とうまくやりたい嫁。
本当は嫁とうまくやりたい姑。
でも、なかなかうまくはいかない。
そこがもどかしいけれど、人間とはそうゆうものなのかもしれないと、諦めの気持ちもないわけではない。

言葉を交わすことが、大切なのだろう。
伝わるだろうと思っていても、心は相手に伝わらないし、想像さえしない誤った伝わり方をしてしまうことだってある、

一筋の涙。
その涙が嘘に見えてしまったから、信じられなくなった。

たった一言。
私は辛いんです。苦しいんです。本当は助けて欲しいんです。
言葉にしていたのなら、物語は大きく変わり、平和な日々が流れていったのかもしれない。

人と人との関わりは難しい。
言葉は大切だけど、言葉にしても勿論分かり合えないことなんてたくさんある。
けど、やれることをやった上でのすれ違いなら、まぁ仕方ないと諦めがつく。
何もしないまま、わかり合いたかったのに分かり合えないのは、あまりにも辛い。

言葉にしよう。
そして自身の心情をできるだけ相手に伝えられるように、知識を身につけよう。

言葉の大切さを、本書に並べられた言葉から教えてもらった。
これからも人生を豊かにするために、言葉を大切にしたい。
そしてその言葉を、大切な人へ向けて確かに紡いでいけたらいい。

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