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誰かを赦すために必要なのは「想像力」かもしれない。 〜【琥珀の夏】を読んで〜

辻村深月さんの「琥珀の夏」を読んだ。

登場人物の過去から未来へ渡る感情表現と、ミステリーのバランスが絶妙で最後まで楽しく読んだ。

思ったことは、物事は一つの視点から見るべきではないということ。

物語に出てくるカルト的集団を、人は容易に「悪」だと決めつける。

そこで想像力を働かせてみる。
この人たちにも何か事情があるのではないか?
一歩間違えれば、私だってそっち側の人間だったのではないか?そんな世界線も十分にあり得たのではないだろうか?

生きていくことは、嫌な感情を味わうことなしには続けられない。
そこで上手に想像力を働かせ、

「まぁ、しょーがないよね」
「そんなこともあるよね」
「人間だものね」

と受け流していけたらいい。
ダメージを少しでも軽く、軽やかに人生を続けられたらいい。

みんな色々抱えている。
その中で、人の繋がりの中で素晴らしい感情を得られたり、素晴らしい出会いに涙を流したりする。

人生はクソだが、捨てたものではない。
想像力を掻き立てながら、この人生を楽しんでいけたらいいなと思う。

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