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これはエジプトミステリーであり、エジプト群像劇〜「ファラオの密室」を読んで〜

白川尚史さんの「ファラオの密室」を読んだ。

ミステリーの賞を受賞されている作品で、謎解きを楽しみながらワクワク感と共に一気読みできた。

まず、設定が変化球すぎて面白い。
エジプトを舞台にした小説ってはじめて読んだし、未知の設定がすんなりと腑に落ちていくあたり、筆者の力はすごいなあと感心してしまった。

ミステリー要素はもちろんだが、登場人物の人間らしさがとても好きだ。
友人や家族との人間関係に苦しんだり、恋心を抱いたり、動物への愛が溢れたり。
どこの国でもどんな時代でも、普遍的な人間としての心ってあるのだなと、なんだか心が暖かくなった。

ミステリーを毛嫌いしてる人やエジプトなんか興味ないよって人にも、ぜひ読んでみてもらいたい。
全く違う世界の中に、自分と似た誰かが存在している。
そんな喜びを味わえるのが、虚構の醍醐味だよなと改めて感じさせてくれました。

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