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死ぬのが怖くなるくらい人生を愛してみたい。〜「恋とそれとあと全部」を読みました〜

住野よるさんの「恋とそれとあと全部」を読んだ。

単なる恋愛小説じゃなく、もう一つのテーマとして「命」や「生死」といった重いものが重なり合っていて、とても面白かった。

主人公が死に触れることで喜びを感じている描写がある。
なんかわかるなと、共感してしまった。
近所の葬儀屋さんの前を通る時、見ず知らずの人の名前が書かれた看板を見て、「あ、人生はいつか終わるんだ」と安心できたりする。

一方で、ヒロインの女性は死を過度に恐れてしまう性質を持っている。
死ぬのが怖いのはきっと人間として、動物として当たり前なのだろう。
いつでも死んでもいいやと思いつつ、いざその場面になったら、辛くて悲しくてやり切れなくて、夜も眠れなくなるのだろう。

人はいつか死ぬ。
死んだら大切なあの人と会えなくなってしまう。
死ぬのが怖い。それほどに大切な存在がいる。
とても幸せなことだ。

今の自分はどうだろう。
別に死にたくはないな。
積極的に生きようという感じでもないけど。

与えられた命を、せっかくだから楽しみながら遣っていく。
死ぬのが怖い。もっと生きたい。
そんな風に前向きに人生と向き合える時が来るのかはわからないけど、人生なんてそんなもんでいいのかなと思う。

とりあえず、恋愛小説っていいな。
もっと色々読んでいこう。
やっぱりまだ、生きて本を読みたいみたいだ。

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