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青春時代には戻れないが、青春時代の素晴らしい感情は少しだけ思い出せる。 〜「夜のピクニック」を読みました〜


恩田陸さんの「夜のピクニック」を読んだ。

とある高校の夜通し歩くイベントをテーマに書かれた小説だけど、読んでいてまるで自分がその世界に入り込んだ感覚に陥った。

歩くことが好きだ。
歩いていると色んな思考が現れたり、反対にピタッと思考が止まって、無になれる瞬間がある。

高校のイベント。
その瞬間にもう戻ることはできず、目の前にある瞬間がいかに尊いものか、その瞬間には気づくことができない。

きっとこれから私が生きていく人生もそうだ。
色々なことが起きて、色々な感情が生まれて、きっとそれらは流水のようにさらりと流れていって、微かな記憶だけを残していく。

少しだけでも、目の前に訪れる瞬間を意識的に味わおうとしていきたい。
散歩していて感じる春の匂いとか。
意識して味わうことが、日々の幸福度を高めるコツかもしれない。

青春っていいよね。
青春の時期には戻れないけど、こうして物語に触れることで、青春の欠片にまた少しだけ触れることができる。

これからも物語を読んでいこう。
そして素晴らしい感情を味わいながら、人生というピクニックを楽しんでいこうと思う。

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