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みんな誰かに苛つきながら生きている 〜「おいしいごはんが食べられますように」を読みました〜

高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」を読んだ。

主に職場の人間関係をテーマにした小説だが、「わかる〜」と唸りながら読んでしまった。
とても人気な小説であることから、現代の人々が同じようなフラストレーションを感じながら生きていることがわかる。

弱い人間は配慮される。
なんだか守ってあげたくなる人っている。
そんな人が憎い。
特に努力して努力して、甘えなんて許せないタイプの人には。

誰かが保護される分、誰かが割を食う。
そうやって社会は成り立っているけど、黙って流されていくのにもストレスは溜まる。
言いたいけど言えなかった。それを言葉にしてくれた。きっとみんな、作者に感謝している。
言ってくれてありがとう。スッキリしました。と。

人間は集団的な生き物だ。
集団の中でどう立ち振る舞っていくかが、人生の9割だと言える。
どう生きていくか。どう生きるのが正解なのか。

弱いフリしながら、誰かに助けられて生きていくのも有効な手段だ。
そんな人にムカつきながら、ささやかな意地悪でもしながら、日々をやり過ごしていくのも一つの生き方だ。

私はどう生きようか。
とりあえず、あんまり気にしないで生きようかと思う。
人は人。私は私。
割り切るのは難しいけど、割り切れたらきっと人生は軽やかになる。

ぶりっ子かまして誰かの手を借りながら生きている人に腹も立つけれど、可愛い女の子に助けを求められたら、喜んで手を差し伸べるかもしれない。
そんな自分も認めていきたい。
きっと人はそんなに強くないし優れていない。
欲望に流されながら、感情を曝け出しながら、そうやって生きていく。それでいい。

みんなそんなもんだよ。
この物語は、読者に優しく寄り添ってくれている。

大丈夫。みんなそう。

人に優しくできなくていい。
それはあなたが小さい人間だからとかじゃなく、人間ってそうゆうもの。それだけの話。

とりあえず、気にせず生きていけたらいい。
ストレスでご飯の味がしないなんて勿体無い。

みんなが美味しいご飯を食べられますように。
そうやって、気楽に生きていけたらいいなと思う。

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