見出し画像

追いつめてくる人は追いつめられている人。〜「愛を知らない」を読んで〜

一木けいさんの「愛を知らない」を読んだ。

感動した。
「追いつめる人って、たぶん追いつめられてるのよね」
というセリフにめちゃくちゃ共感した。

子供を育てる大変さ。
愛されたい。愛してもらえない。憎い。
愛すべき存在なのに、憎んでしまう。嫌いになってしまう。
そんな矛盾の苦しさが、登場人物たちからすごく伝わってきた。

どうでもいい人にどう思われようが、ダメージはない。
大切な人に拒絶されたり、理解されなかったりすると、辛い。それが怒りになる。憎しみになる。好きな人に好かれず、嫌いになる。でも本当の意味では嫌いになれない。人間ってしんどい。

だからこそ、心が通った時の喜びは大きいのだろう。
私が大切にして、大切なあの人が自分を信頼してくれる。その事実に勝る喜びなんてきっとこの世界にはない。

追いつめてくる人は、追いつめられている。
その想像力を持って、誰かを許して生きていけたらいいなと思う。

愛を知りたいんだ、きっと。
子供を育てるということは、まだ知らない愛に触れることかもしれない。
想像をはるかに超える苦しさもあるのだろうけど、きっとそれさえも超える喜びがある。そう信じて生きていたい。

誰かを愛し、誰かに愛されながら、これからも生きていきたい。
傷つくこともあるだろうけど、いつか全て含めて良かったと思える瞬間が来ると信じて、今日も生きていよう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?