更年期とエクオールーエクオール検査
今注目のエクオールについて書きました
鍵は腸内細菌です!
私がハイジアを開業した10年前、更年期の話をすると「大豆食品をとっていれば大丈夫なんでしょう」とよく聞かれました。
本当にそうなのか?
そういうエビデンスがあるのか?調べてみました。
そうすると、いくつかの研究がありましたが、結果はバラバラで、一概には、「大豆食品をとっていれば大丈夫」と言えないことがわかりました。
米国では、更年期女性の約半数が顔のほてり(ホットフラッシュ)などの症状を訴えます。
一方で日本人女性には更年期症状が少ないことから日本の食生活習慣に違いがあるのではないかと仮定し米国でも多くの試験がされました。
しかし、その大豆食品の有用性について肯定的な結果だけでなく,効果が証明されなかった報告もあったと言われています。
「大豆の栄養と機能性」という著書の中で内山成人(大塚製薬)は次のように書いています。
エクオールは作れる人と作れない人がいます。
そのことを聞いて大豆イソフラボンよりもそのエクオールが関与しているとしたら、大豆イソフラボンの効果がバラバラだったことに納得がいきました。
研究の対象が、エクオールを作れる人と作れない人が混在していれば、その集団自体は正しい結果を導くことはできません。
ではエクオールを作れる人と作れない人の違いはなんでしょうか?
ウィキペディアから引用します。
以上ように「ヒトから培養された腸内細菌の21の株が、ダイゼインを(S)-エクオールまたは関連する中間化合物に変換する能力を有していた[4]。」とあり、腸内細菌があるかどうかが、エクオールは作れる人と作れない人の違いだとわかりました。
日本人は、半分の人がエクオールを作れるという結果が出ています。
そうすると、気になるのは自分がエクオールをつくることができるか?
ですよね。
エクオール検査について
自分がエクオールを産生できる腸内細菌を持っているかどうかは、尿をしらべるとわかります。
ネットで「エクオール検査」と検索するとキット商品が見つかりますので購入してみてください。
手順通りに採尿して、郵送します。
エクオール検査の結果
エクオール産生菌があるかないかの検査をしました。
さて、その結果はどうでしょう?
このような形でわかります。
ソイチェックの測定結果は、尿中に含まれるエクオールの量によって1~5のレベルで報告されます(下図参照)。 目安として、レベル1~2だと“作れていない”、3~5なら“作れている”となります。
産生菌のある人とない人の違い
エクオールの産生菌のある人は日本の場合、約5割と言われています。
欧米、オーストラリア人は約3割です。
この違いはどこからきているのでしょうか?
内山成人著、大豆由来の新規成分 エクオール の最新知見によると
「エクオールの産生には,男女差,遺伝的素因は関係ない」とあります。
さらに
日本, 中国,台湾などの大豆の食習慣がある地域ではエクオールを産生できる人は5割に上ることから、大豆製品の摂取と関係がありそうです
こちらにも詳しく書かれています。
ただし、レベル1~2の人は、今から大豆製品を食べても産生されないことから幼少期の食生活が影響しているとも言われています。
お子さんのいる方は、将来のために大豆製品を子供のうちから食べさせてあげてくださいね。
都道府県別のエクオールランキングが発表されています。
ご自分の住んでいる(出身地)のランキングも参考にしてみるの良いと思います。
ちなみに私は、北海道なのですが、なんと最下位!!!涙
エクオールを産生できる人はどうすれば良いのか?
更年期、更年期以外関わらず、せっかく産生菌があるのですから、大いに活用しましょう。
めやすとして、だいたい納豆1パック又は豆腐約2/3丁(約200g)、納豆1パック(50g)を毎日食べれば、10mg(恩恵を受けることができる量)のエクオールを摂るのと同じ量のエクオールが作られるとされています。
エクオールは体内に蓄積されないので大豆食品を摂らなかったりするとレベルは下がりますので、毎日大豆食品を摂ることと、腸内環境を整えておくといいでしょう。
しかし腸内環境の変化によっては、作れるエクオールの量は日々変動しますので、更年期の恩恵を変動なく受けたい人、更年期の症状を緩和したい人は、さらにエクオールのサプリメントを摂取するのもいいでしょう。
産生菌あるのに、更に飲んでも大丈夫か?と心配なところですが、大豆イソフラボン30mg以上にならないよう飲まない限りは過剰になることはありません。
(大豆イソフラボンの量は、サプリメントのパッケージに記載されています)
エクオールを産生できない人はどうすれば良いか?
残念ながらエクオールの産生菌のない人は、エクオールの恩恵を受けることはできません。
レベル1~2の人は、今から大豆製品を食べても産生されないことから、がんばっても産生菌を持つことはできないことになります。
10年前、更年期に関する講演会に行くと、抽選でその日に採尿し、無料でエクオール検査をしてくれることがありました。
結果は講演会の終盤に発表され、エクオール産生菌を持っている人と持っていない人がわかり、会場が「おー」となります。
この時点では、エクオール産生菌がないと、「はい残念でした!」で終わりになっていました。
エクオール産生菌がないと、がんばって大豆を食べてもエクオールは作られないのですよね。
一刻も早いエクオールサプリメントの発売を待っていました。
エクオールのサプリメントが販売されるようになったのは2014年ごろからです。
ようやく、エクオールを産生できない人もサプリメントをとれば、エクオールの恩恵をえることができるようになりました。
今は、エクオールの存在が少しずつ知られるようになり更年期症状の緩和や美容のためにサプリメントを摂る人が増えています。
ホルモン補充療法をためらう人や、エクオールから始めてみようという人にはサプリメントはお勧めです。
ただし、サプリメントの選び方には注意が必要です。
こちらをご参照ください
せっかくエクオールという成分を発見してくれて、苦労の末サプリメントを製造してくれて、(おそらく)寝る間もなく研究して効果を明らかにしてくれたのですもの、エクオールの力を借りるのも選択肢の一つです。
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この記事は私が書きました。