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【ZAKU PAKA FASA展ができるまで】鱗テキスタイルの制作ストーリー vol.1

みなさんこんにちは!デザイナーのほりせいと刺繍作家のむすびめです。

9月14(土)~16日(月・祝)の3連休に大崎THTギャラリーにて、デザイナー・アートディレクター、コピーライター、プランナーの5名のクリエイターによる合同展示
「ZAKA PAKA FASA展」を開催します!

展示に先立ち、noteマガジン「ZAKU PAKA FASA展ができるまで」にて
展示制作の裏側をお届けしていきます。

私たちはこの展示で、生物が身を守り、生き抜くために進化した「鱗」をモチーフにしたオリジナルテキスタイルを発表します。

ZAKU PAKA FASAの「FASA」は
テキスタイルを身にまとう音を
イメージしています。 

5人のクリエイターが自分たちの「つくりたい」「表現したい」にまっすぐに突き進むグループ展示 ZAKU PAKA FASA展

このnoteでは、FASAチームの私たちが
なぜ鱗をモチーフに選んだのか、そしてなぜテキスタイルを開発したのかをお届けします。

はじまりは、講座課題の広告制作

私たちが出会ったのは、宣伝会議さんが主催する養成講座「アートとコピー」。広告制作の最小単位であるアートディレクターとコピーライターの2名がタッグを組み、広告業界の最強コンビを目指していくという講座です。

「アートとコピー」では講義ごとに事前課題があります。そして毎回、事務局から、コンビの組み合わせを発表します。よーいどんで、コンビで課題に取り組み、締切までに提出。他のコンビの表現に刺激を受け、時には選ばれない悔しさもかみしめて、また次の相方と組む。コンビの結成と解散を繰り返す半年間。それが「アートとコピー」です。

講師を務められている
阿部広太郎さんのメッセージより
https://www.sendenkaigi.com/class/detail/copywriter_abe.php


この講座の3期生として参加していた私たちは、最終課題の雑誌広告制作でコンビを組むことになりました。

課題のテーマは「アートとコピー(講座)の広告」。約半年、月毎に変わるコンビの相方と制作に挑み続けた私たちが、講義の場で感じた魅力やそこで得た体験を、未来の4期生に伝える広告を目指しました。

ビジュアルを検討するなかで見出したのが鱗のモチーフ
もがき、ぶつかり、傷つき、ときには剥がれ落ちて命を守り抜いてきた、生を感じるモチーフです。その強さに、受講中の同期やコンビの相方との切磋琢磨との共通項を見出しました。

また、「片鱗を示す」という言葉にもある通り、未来の飛躍を彷彿とさせ、その気質の表れを示す強さにも強く惹かれました。

片鱗を示す将来の大物=広告業界の最強コンビが、講義のなかでその片鱗を示し、育てていく。そしていつか世界の舞台で戦っていく。アートとコピーはそんな場所であることを認知してもらいたいという想いを掲げ、制作を進めました。

鱗の変遷や機能について研究
参考文献:田畑 純,遠藤 雅人,塩栗 大輔,安川 雄一郎,栗山 武夫,森本 元.
『鱗の博物誌』. 株式会社グラフィック社.2020年
ぶつかりあい、剥がれながら
強くなっていく表現として
鉄・錆のテクスチャーに着目しました
魚屋さんで鱗実物の観察も
最終課題の提出作品


残念ながら最終選考に残ることはできませんでしたが、ここでの鱗への探求が、現在につながっています。

鱗モチーフの作品制作

講座修了後も「鱗をモチーフにした作品をつくり続けたいね」と話し、今年の1月には、辰年にちなみ鱗をモチーフにした年賀状を制作しました。

展示会場にて
数量限定で配布します

つくればつくるほど鱗の魅力に引き込まれていった私たち。そして今回の展示に向け、新たなものづくりをスタートさせました。

鱗の美しさと根源的な機能を表すプロダクト

鱗の魅力を表すどんなプロダクトをつくろう。私たちが選んだのは「オリジナルのテキスタイル(布)」。

人類のずっと遠い祖先、現在のように手足も道具もなく、水中に生存していた時代。当時は鱗が、外の世界から生身の身体と命を守っていました。

Credit: Zina Deretsky, National Science Foundation

それは進化の過程で私たちの身体からなくなり、今はその役割を衣服が担っています。
私たちは、服を着ないと外に出られません。遠い祖先の鱗がそうだったように、生物は今も昔も、外の世界と自分の間に一枚隔てながら生きています。

鱗をモチーフにしたテキスタイルの制作を通じて、これまで生物が続けてきた「まとい、生きること」を表現できるのではと考えました。


余談ですが、偶然なことにむすびめが大学の卒業論文に選んだ研究テーマも
衣服の持つ役割を、社会と人の関係のなかで紐解くものでした。

今でも読み返す、鷲田清一さんの
ファッション考現学にまつわる書籍
(ご興味をお持ちいただいた方は、
ぜひ展示会場でお話しましょう…!)

しかしテキスタイルの開発には、素材の選定や織組織の組み合わせなど、精密な技術や知見が求められます。

しかし、2人ともテキスタイルの開発ははじめて。 

そもそも、個人でテキスタイルの開発なんてできるの…?

そんな第一歩から、FASAチームのものづくりが始まりました。

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今回はここまで。次回は、織物産地への旅や開発の様子を紹介していきます!
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展示まであと14日(9月1日現在)。
引き続き「ZAKU PAKA FASAができるまでマガジン」にて、当日がもっと楽しくなる制作の裏話をお楽しみいただけましたら嬉しいです。

フォロー&スキ♡が、制作の励みになります

▼展示の詳細はこちらから!


みなさまのお越しを、心よりお待ちしております。

ほりせい・むすびめ

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