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古森 もの
2021年5月15日 14:02
「これはだれのことば?」 わたしは時々疑問に思う。わたし、こんな口調だったっけ、こんなことばいつの間に知ったんだろう、って。そんなとき、わたしは自分が発することばを疑う。これは果たして「わたしのことば」だろうか、「わたしのことば」というやつは本当に存在するのだろうか、と。 生まれた時からわたしたちは、前提のあることばに馴染んでいく。それは完成され使い古されたことばたちで、日常におい
2021年5月11日 17:49
「わたしはわたしに、おやすみなさいと言う」 わたしたちは、絶え間ない日々を生きている。それは自身や周囲の環境に何事もない限り、明日も続き、明後日も続くものだろう。そんな休符のない日々の中で、ときに一休みしたくなることはないか。 わたしにはある。わたしはわたしから離れてまっさらになりたいと、そういう思いが時々、にわか雨のように浮かんでくる。ただ、勘違いされたくはないので言っておくが、こ
2021年5月8日 15:51
「ときに世界は、虚構に埋め尽くされる」 わたしは読書が好きだ。でもそれと同時に、わたしは読書が苦手だ。 読書をするとき、わたしはわたし以外の誰かになる。そうならざる負えなくなる。わたしは自分を手放して、誰かの語りと同化していく。夢中になればなるほど、それは深まる深度で、自分の意識が自分ではない何者かに譲渡されることを、ある瞬間発見する。 その感触が、とてつもなく気持ち悪
2021年5月8日 00:35
「こんばんは、蒸し暑い夜ですね」 いきなり上がった気温に体の方が追いつかない、今日はそんな一日でした。薄着をしてもアイスティーを飲んでも、血がふつふつと煮えるようで、わたしはわたしの体の中で、冷えた場所を探して迷子になります。こうやって独り言を呟いても、指先の粗熱が取れそうにないので、今夜は上手く眠れるか心配です。(ああ、上手く眠れるといいけど。) たった今、季節と言うのは残酷だ、