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むにみずべ 東京編07.2 深大寺の水車 レンタルして蕎麦を挽く

東京では水車を無料で借りて、石臼で製粉ができます(?)。
日々の生活からは全く別世界にありそうなこちら、知っていますか?

ホームページの更新を押す日々

深大寺の水車に初めて会ったのは、2023年の秋。当時水車は老朽化のため休止中。泣く泣く見学に終わっていました。

しかし、流石の調布市です。老朽化した水車を冬には取り換え完了。そして製粉体験も、HPによれば、いずれ復活させますとのこと。

以来、来る日も来る日も、調布市のHP更新ボタンを押し続けました。
そしてあれは、過去のブログ記事を何となしに見ていた8月。いつものようにHPを開きました。

すると、何やら更新日が去年12月から今年8月になっています。これは、もしかして…

来ました。水車による製粉体験復活です。


懇親イベントを計画

さて、水車を借りるなんて謎イベント、盛大にやりたいもんですが、そうなると思い出される会社間懇親会。
思えばちょうど昨年10月に出向元の会社と、出向先の会社で若手を集め、清澄庭園の涼亭を貸し切り、投扇興対抗試合を開催した時期です。

早速準備に取り掛かりましょう。
今年の懇親会は、水車で蕎麦の製粉から始まる本気の蕎麦打ちイベントで決定です。
こんな渋くてエキサイティングなイベントは誰も参加したことがないはず。


そば打ちパーティーへの壁

きっと、水車で製粉から始める蕎麦打ちパーティーを企画したことある皆さんなら分かると思いますが、これとっても準備が大変です。

まずは水車を押さえます。調布市のホームページ曰く、研修等のためであれば無料で借りることができるとのこと。
そこで急遽、会社の外国籍社員や若手社員を対象とする日本文化体験研修を企画しました。

チラシも作り提出

続いて、そば打ちイベントの場所はレンタルスペースを予約。さらに蕎麦の実(玄蕎麦)をネットで4kg購入しました。

そして道具。そういえば我が祖父、ムニ爺がかつて蕎麦打ちをしていたのでその備品を借りようかなぁとふんわり思っている間に月日は流れ、あっという間に開催まで1週間になってしまいました。
まずい、もうムニ爺宅まで借りに行く時間がありません。そんな時、ムニ母から耳寄り情報が来ました。
蕎麦打ちセット、レンタルできるってよ

所有からシェアリングへと社会が変わっていることは感じていましたが、まさかの水車に加え、蕎麦打ちセットも借りられる時代です。
昼に受け取りもできないので、一旦実家でムニ母に受け取ってもらいます。

さて開催前日、会社帰りに意気揚々と実家へ。実家の玄関を開けると、そこには段ボールがそびえ立っていました。

ピッタリと玄関を塞ぐ蕎麦打ちキット達

これを持って電車で1時間かけて調布まで行くの無理なんじゃ…
絶望に打ちひしがれる視界の隅に、ムニ母が歩いているのが見えました。これしかない…

ムニ母に頼み、車を貸してもらうことに、何なら運転して送ってもらうことになりました。
人生で知る限り、指折りの夜型人間たるムニ母を早朝に起こす愚行、これは後で三拝九拝のお車代を弾まねばなりません。
ともかく。全てのピースが揃い、いよいよ明日、開催当日です。


水車で石臼を回してみる

まずは水車と石臼のセッティング。

水車に繋がる水路を堰き止め、水車を止めます
水路が枯れ、水車が止まりました
水車が止まったところで、石臼をセット

では再び堰を開け、水車を回しましょう。

止まった水車が
再び動き出します
ゆっくりと回り始める石臼

何やらただ早く回せば良いってもんではないようで、この絶妙なスピードの維持が重要です。


水車と戦ってみる

さて調布市さんの粋な計らいで、水車小屋の前には石臼が置かれていました。
ここで、水力と人力の製粉対決勃発です。

さぁ挽いてくぞ

水車チームは、蕎麦の実を調整しながら入れる調布市の方、製粉をふるいにかける2名の計3名。

対する人力チームは、石臼を回す人、蕎麦の実をテンポ良く入れる人、石臼でできた蕎麦粉を回収する人、まず蕎麦殻をふるう人、蕎麦粉をふるう人、応援する人、ふるうのに飽きてお喋りする人、次に石臼を回す人、周りの大人に緊張し石臼の横で立ち尽くすキッズ…総勢15

かけた人工は1:5、できた蕎麦粉は2.5:1。
実に12.5倍の効率で水車に軍配が上がりました。

3kgの玄蕎麦から2kg弱の蕎麦粉が爆誕
香りが半端ない

ここからレンタルスペースに移動し、蕎麦打ちスタートです。


蕎麦を打つ

朝っぱらから大変な思いで持ってきた蕎麦打ちセット、いよいよ表舞台に登場です。4-5名のチームで蕎麦打ちしていきます。
蕎麦粉と小麦粉を8:2で混ぜ、水となじませます。まとめて練り上げ、伸ばして切る、だけ。

しっかりかんませ
ムニ爺の言葉がよみがえります
玉のように美しい蕎麦の塊
細く切るのに集中していると
あ、折り畳んだ生地がくっついて離れない。。。

かつてムニ爺の背を何度もみてきたのに、いざやってみると中々スムーズに行かない。
けれどもお昼を遠に過ぎた激しい空腹もあってか、大変美味しく蕎麦を楽しめました

感動と空腹で、出来た後の写真がこれしかない…
手の影からご覧ください

見た目こそこんにゃくのようですが、水車石臼による挽きたて蕎麦の香りは尋常じゃなく、横で焼いたソーセージにも勝る蕎麦の香りを堪能しました。

以上、長くなりましたが、
東京の調布でぜひ製粉から始める蕎麦打ち、やってみてください。

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