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指差すことができない/大崎清夏 詩本評

どう読めばいいのか困惑した、という感想が多い。
私が初めて詩集本というものを買った「指差すことができない」は中原中也賞を受賞された作品。これを読むと詩の手法がある小説とは何か、が逆説として理解されるだろう。外界を書いている言葉が自己の内側を表しているということ。形而下の外界を現す言葉が形而上の存在を書いているということ。読者は形而下から外界の実存を認識しようとする。しかし書かれている言葉は形而上の存在を示しているから、違和感と困惑に終わってしまう。表題作はそれを指差すことができない存在だという。

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