予定のない休日
休日。妻は資格の勉強につき、午前中、息子と近所のバッティングセンターにいった。自転車で。5才の娘もついてきた。バッティングセンターなんて、生まれて初めて入った。僕、若い頃は文学青年兼バンドマンだったし。まさか息子が野球に覚醒るとは…。昭和っぽい、古いバッティングセンター。アウトレイジビヨンドで見たことある。周りは野球選手みたいにムキムキの父&息子。または野球選手みたいに日焼けしたオッサンばかり。200円で25球。息子は70キロの球を8割空振りしたが、2割バットに当たった。僕は知見がないから、息子のフォームが良いのか悪いのか判らず。おーとか、あーとかしか言えない。1000円使った。付いてきた娘が、つまんないと言って涙をポロポロ流した。妻はそのまま、ひとりでスポーツジムに行った。息子と娘をガストに連れていった。2人ともチーズハンバーグを頼んだ。娘は、ハンバーグを最後のお楽しみにするために、白米を全力で食い、メインディッシュに辿りつかないまま満腹になった。アホだ。さらにウンチしたいと言う。一緒に個室に入り、娘のウンコを拭いた。ウンコをしたら、ハンバーグを2口食えた。コップを落として、テーブルにカルピスの湖を作った。14時に妻が家に帰ってきた。御礼と共に、バトンタッチでどっか好きなところ行ってきて良いよ、ということで今に至る。夕飯までの数時間。天気も不安定だし、カバンにズボズボと本を詰め込んで、近所でコーヒー。持ってきた本「人工島戦記 橋本治」「ワイルドランド アメリカを分断する怒りの源流 エヴァンオズノス」「五人十色 インタビュー集 橋本治 村上春樹 村上龍 金井美恵子 山川健一」「ジャン=ミッシェル・フォロン図録」「貧乏は正しい 橋本治」。相変わらず橋本治を読む時間が長い。パラパラ読んでしまい、没頭するほどではない。人工島戦記だけは、一度開くと面白くて止められなくなるから最後まで開かない。どの本もこの本も、自分の頭で考えろ、と、僕に言ってくる。自分の頭で考えねェと、人生、あっという間に流されていくぜ。しかし最近の僕は「下手の長考、休むに似たり」の感があって、コーヒー飲んで目を瞑っても、啓示とか、悟りとか降りてこない。別に、前は降りてきたってワケでもないけど。妻に許された隙間の数時間で、道が開けるほど、人生単純じゃないだろうが。ああ、今日は読書じゃなくてジョギングした方がよかったかなァ。ウジウジ本読んでるより、汗をかいたほうがよかった。妻はジムに通って、良い感じの肉体を保っているが、僕は夏の間、暑いからぜんぜん運動しなかった。去年秋〜今年春にかけて66キロを57キロに落としたけど、夏の間に60キロまで戻った。いまこの瞬間も、ガストのフライドポテトが身体の中で脂肪に変わっていく気配を感じる。人工島戦記は、結局開かないまま家に帰る。1179文字