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新しいこと
わたしは働かなくていい人生を送るのが夢だった。
現在、専業主婦をしているのでその夢は叶っている。
専業主婦になって1年3ヶ月ほど経つが、出産してから現在に至るまで特にやりたいことなどなく、ただ子育てと家事をする毎日を送っている。
2025年の初詣で今年はなにか夢中になれることが見つかりますようにとお願いした。
1月5日からわたしは毎朝苦手な早起きをしてしまい、なぜかドリップコーヒーを淹れている。ブラックコーヒーが好きなわけではない、わたしはカフェラテかカフェオレが好みだ。
しかしなぜだか分からないけれどすごく楽しい。
20代前半の頃はラテアートにハマりたくさん練習して、たくさん勉強した。その頃はラテアートなのでエスプレッソのことばかり考えていてコーヒー豆自体の事を知ろうとしても多分あまり興味なかったのか、全く頭に入ってこなかったし、豆の個性なんてどれも一緒でしょう?なんて全珈琲マニアを敵に回してしまうような事まで思っていた。
ドリップコーヒーに向き合いはじめてから、はじめて淹れた豆はグァテマラだった。顔が歪むぐらい不味かった、飲めたもんじゃない。
器具はそれなりに勉強していた時に揃えていたのでお気に入りのミルがある。
あまりにも不味すぎたので本当に美味しくなるのかと疑い、とりあえずドリップコーヒーについて本を読んだ。基礎を得たところで次の日に調整すると昨日の不味さは嘘みたいにさっぱりとした味だった。
昨日より美味しかったことが嬉しくて、挽き目や温度、豆量などをメモを取りながら毎朝ドリップコーヒーを淹れて変化を楽しんでいる。
ついでにブロッコリーの分も淹れるので、淹れたてのホットコーヒーを片手に寝室まで行き、ブロッコリーを起こして毎朝感想を聞くのも最近の日課だ。
ブロッコリーも味の変化を楽しんでくれているので嬉しい気持ちになる。
近所の珈琲屋さんでブレンド豆を購入し、それぞれのお店のブレンドの感想をメモに残して何をブレンドしているのか裏の記載シールを見て、豆の特徴を知ることも結構楽しい。
ここの店主さんはこの味が好きなんだなと店主さんの顔を思い浮かべながら3分の1をブラックで飲み、申し訳ないと思いながら頭を下げ、牛乳を追加しカフェオレでいただく。
早起きをしてドリップコーヒーを淹れている自分はなんてお洒落でキラキラした人間なんだろう。
と思いながら、ボサボサの髪の毛ですっぴんにパジャマでメガネが少し歪んでいることは想像しないでおこう。
寝落きから可愛い女性って存在するんですか。
可愛い寝落き姿とリアルの寝起き姿があるとわたしは思っている。