まさかの群馬県。スパイス村エピソードゼロ②
エピソードゼロ①で書いた通り、
インドから10日ほど帰国して来ていた夫、カーンくんに連れられて、着いた場所は『群馬県邑楽郡邑楽町』。
邑楽(おうら)って読むらしい。
なんせ私、人生初群馬県。初めての群馬県で、元々歴史のある宴会場だったらしい大きな建物をレストランにしよう!って言われて、びっくりして、本気で考えた。
私は基本的に、夫の発想がどれだけぶっ飛んでいても、やりたいことに対して『No』から入ることは極力しないできたつもり。もしかしたら、いきなりNoは言ったことがないかも。
だから今回も、この挑戦に乗るとしたら、目の前に立ちはだかるであろう課題を彼にシェアしてみた。
『ここをレストランにするにあたって。
まず、かなり使い込んだ古い厨房や、宴会場ならではのステージなどなど、およそインド料理屋らしくない作りの場所を、再び甦らせるには、相当な資金と時間とパワーが要るのが目に見えている。ほぼ、フルリノベーションする案件ですわよ。と。
そして、やるとなったら性格的にそこにお金と時間とパワーを注ぎ込むであろうカーンくんだが
現在職なし、つまり収入なしで、子育てを手伝う意識がそもそも薄い上に超遠方にお店が出来たら尚更育児に参加しなくなるのが目に見えていて、そうなると自動的に妻である私が育児をワンオペレーションする日々が目に見えていて、
そんな私が一家の大黒柱として家計を100%支えているのだけど、育児と家計を両方とも100%背負わせたら、物理的に仕事に使える時間にも影響が出てくるから、
家計が不安定になる可能性が高いけど、どう考える?
それから、とにかく家から群馬県までが遠いから、せっかく家族がまた一緒に暮らせるようになると思ったら単身赴任の可能性があるのも寂しくない?』
その言葉を聞いて、そうか、そうだね、難しいね。と納得した様子でカーンくんは日本での短期滞在を終えインドへ帰って行ったんだと思いきや。
思いきや。
少し時間が経って、3月下旬。
今度は、この春に1年4ヶ月に及ぶインドでの暮らしから帰国して、また日本で一緒に暮らすことになった7歳次女と3歳長男をお迎えに、私がトンボ帰りでインドまでお迎えに行った時のこと。
東インドの街コルカタに住む日本人のお友達まりこさんの家で『今回インドに24時間もいないんだけどね』って言いつつ近況をシェアしてお茶を飲んでたら、まりこさんの方から衝撃の言葉が飛び出した。
『ねぇ未花ちゃん。私が数ヶ月マネジメントで入るっていうレストランが群馬県にできるって、本当?』
えっ。えっ、えっ!
その話、我が家の中では2月にしっかり話し合って終わった話だと思ってたんだけど、まさかの続いてたの?逆に、今どうなってるか、聞かせて?
インドでお友達の口から聞いた『どうやら群馬県にお店作るのは確定らしい。』という言葉。
どうやら、カーンくんと昔から仲の良いまりこさんの夫シャムシャドが群馬県の話を聞いて、『やろう!やるしかない!』の一択だったそう。
群馬県にお店を作るプロジェクトが進行していることに驚きを隠せないまま、私は子ども達を連れて日本へ帰国したのだけど、
そこからお店がオープンするまでが、イバラの道だった。