フリーランスデザイナーの保健室
デザイナーさんからのご相談で多いのは、
「クライアントさんからの修正依頼が多すぎる」
「なかなか決めてくれない(OKが出ない)」
特に最近は、副業で始めた方や、独立して間もないデザイナーさんから、
そんなご相談を受けることが多いです。
修正回数を抑えるための、
事前ヒアリングや、受注してからのコミュニケーションのコツについては、
noteにも優良記事がたくさんありますので、
そちらを(勝手にすみません)ご紹介させていただきつつ、
セラピストでもある私からご相談者様にお話ししていることを
今日は書きます。
修正指示が多く、要望が二転三転する。
指示がが不明瞭で要領が悪い、
いくら説明しても、なかなか決めきれない。
そんなクライアントさんに、ストレスを感じている場合。
まずは、あなたの心の安全が確保されているかを
チェックしてみてください。
「困ったなぁ」(ため息)とか、
そのクライアントさんを日に何度も思い出してイライラ
しているとしたら、
心の安全が脅かされているサインかもしれません。
心の中の葛藤は人それぞれで様々ですが。
デザインを決めていく過程がスムーズではない
と感じる相手は、多少なり
メンタルを病んでいる場合が多いです。
弱っているから、大事な決断を先延ばしにするし、
責任問題にならないように過剰に用心し、
場合によっては、攻撃的な言葉を使います。
このあたりのカラクリは、心理カウンセラーさんの
優良記事が参考になると思います。
で、ですね。
クライアントさんのメンタル面は、
そのクライアントさんご自身の問題なので
その病み(闇)に、引っ張られないように
気をつけておいてほしいのです。
数十年、アートやデザイン業界でお仕事させていただいていますが、
共感能力が高く、優しいデザイナーさんが多いと、実感しています。
その「他者の思い」や「時代の雰囲気」を敏感に察し、汲み取る繊細さは
素晴らしい作品を創り出す「才能」ですが、
その能力は、心を蝕む「闇」も受け取りやすい性質を持つようです。
最近の言葉を使うと、いわゆる「繊細さん(HSP)」、
「スターシード」の方が多いんじゃないかと思います。
デザインがなかなか採用されないのは
あなたの技術が足りないという理由だけではないことを
思い出して、
「途中退場もあり」
という逃げ道もあることを忘れていないかチェックしてみてください。
何らかの恩があってとか、生計を立てるためになど、
やむおえずという場合もあると思います。
ですが、その案件を続けることで、
仕事ができなくなるくらい病んでしまわない内に
「逃げるが勝ち」
な場面も往々にしてあります。
みんな、結構そうやって、自分に合った
お得意様に辿り着いてゆくものです。
・・・というのを若い頃の自分にも言いたい。
ダークサイドに落ちていたこともあるセラピストです(笑)
当時の私は、経済的な理由もあり、その場を離れられなかった上に、
「誠心誠意尽くせば、いつかはわかってくれる。」
と、歯を食いしばって続けていました。
しかし、報われることなく強制終了(退場)
今となっては、あの頃の経験から、
自分にはどういう案件が向いているのか、
どういう仕事の進め方が合っているのか、
こういうことすると誤解されるんだな、とか。
たくさんの学びを得る機会だったので、
あのクライアントさんたちには感謝しているのですが。
これからは、そんな重たい学びの期間は要らない時代に
なるような気がしています。
「時代」という大袈裟な言葉を使いましたが、
パンデミックを皮切りに、これからもどんどん時代が変わり、
これまで盤石だと思われていたものが、
ガラガラを崩れ始めていますよね。
そんなご時世です。どんな大企業にお勤めのエリートさんでも
「100%病んでいません」という人の方が稀で、
みんな、少しは病みますよ。
自分を守るために、そこからそっと離れるのは
無責任なことではありません。
あなたの作品を待っている他の人のためにも、
「あ、ここ違った!」
と気づいたら、
できることなら軽い足取りで、抜けましょう?
嫌な相手と仕事していると、自分も嫌な奴になっていたのか、
人間社会の嫌なところにばかり目が行きがちだったのか、、
辛かったその場を離れたら、びっくりするくらい
「あれ?世の中ってこんなに良い人ばっかりだっけ?」
と、景色が変わったのをよく覚えています。
「そんな事言ったって、何の保証もなしにやめられません〜」
と、大抵言われます。
そりゃ、そうですよね。
なので、フリーランスのクリエイター・デザイナーが
数ヶ月は安心して休業できる「共済」のようなシステム。
クリエイターの保健室みたいな・・・
病院に行くまでもないけど、ちょっと教室から離れて、
自分の力を取り戻す「場」。
作れないかな?とお節介なこと考えています。