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読書📚『palmstories あなた』『野良猫を尊敬した日』 ほか

お久しぶりです。夏から、珍しいことに仕事がばたついてしまい、秋になってひと段落しました。
やるべきことがあるって、すごくありがたいのですけどね。

若い頃は遊びたくともお金がないし、大人になってからは時間をつくれないし(といってお金もそんなにあるわけではなく)、心の余裕って難しい。

そんな感じで、せわしない時期に少しずつ読んだ(読めた!)本をご紹介します。


『palmstories あなた』  津村記久子、岡田利規、町田康、又吉直樹、大崎清夏

仕事の合間、深夜まで開いている書店へふらっと寄ったら、かわいいサイズのこの本に吸い寄せられました。
お話によって様々な「あなた」が登場します。人であったり、そうでなかったりする”あなた“たち。どの作品もよかった!

あとは、主人公たちが皆バタバタと忙しそうにしている様子に、勝手に親近感を覚えて楽しみました(そこ? 笑)。
でも一話ずつがわりあい短く、どこから読んでも楽しめて、軽くて気軽に開ける本。実際、忙しい人にぴったりの一冊ではと思います。

palmbooksさんというひとり出版社さんの本だそうで、今後はシリーズになるのかな? ろくろっ首になりつつまったり待ちます。

『野良猫を尊敬した日』  穂村弘

Kindleで持っていたのを、通勤時間に再読。
ゆるいなあ、素敵、と思っていると次の瞬間、深淵のようなナイフのような暗さ鋭さが見えたりして、やっぱりドキドキしました。

穂村さんのエッセイは心が落ち着かない新社会人の頃に出会って、よく読んでいました。たくさん気持ちを楽にしてもらったなあ。
当時は本にあてるお金がなくていつも図書館で借りて読んでいたので、買って読めるようになった今が嬉しいです。

ベッド菓子パンのお話でファンになった勢ですが、この本では歩きながら服を脱ぐお話がとても好き。

『という、はなし』  吉田篤弘、フジモトマサル

ほっこりと見せかけて(?)、「忙しいから本なんてなかなか読めないな〜」という時に開くとハッとさせられる本でした。
ほぼすべてのお話が4ページ(うち1ページはフジモトさんの絵)で完結する、小さくて優しい世界。
フジモトさんのイラストが先にあり、あとから吉田篤弘さんがストーリーをのせたそうなのですが、絵も物語の中に完全に織り込まれているのに驚きました。

文庫で購入。カラーの文庫って紙が硬めで開きにくいものがある印象でしたが、こちらは紙も柔らかくて読みやすかったです。
文庫版あとがきで吉田さんが書かれている、お二人の執筆の流れもすごくて、胸がギュッとしました。

『そこから見た景色の話を』  水元さきの

イラスト集が好きで、書店でときどき見て回ります。青山ブックセンターさんのnoteで知り、表紙とタイトルに惹かれて購入していました。

よく見る爽やかなテイストのようなのに、強さと熱を感じる作品たち。布団や洗濯物、台所の廊下なんかの、本当にごく日常の風景を、こんなに鮮やかにやわらかく描かれる方がいるのだと感動しました。ほっとすると同時に、切なくてたまらなくなる。

水元さん(+ほかの方)の文章も掲載されていて、それらも読み応えがありました。

私は誰も見たことがなくても確実にある何かを目に見える状態にするのが、絵に出来る一つの可能性だと思っていて、

『そこから見た景色の話を』 水元さきの

仕事の後の夜や疲れた休日に少しずつ眺めて、心に新しい風をもらいました。

読書の秋は終わってしまいそうですが、また元気に働きつつ、読んだり動いたりしていきたいな。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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