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【絶対読んでほしい】 村上春樹の傑作小説5選
皆さん、村上春樹の小説は読みますか?
むちは、幅広く小説を読むというよりも、気に入った作家の本を何度も繰り返し読むというタイプなのですが、一番好きな作家が村上春樹です。
村上春樹はかなり好き嫌いが分かれるタイプの作家かとも思いますが、むちは村上春樹に多大なる影響を受けています。
極端な話、村上春樹の小説に出会った以前、以後で、むちの人生観は大きく異なっているようにすら感じます。
そんな村上春樹ですが、短編小説やエッセイ、紀行文、はたまた海外文学の翻訳など、数多くの著作がありますが、本業は長編小説家です。
今回は、村上春樹の長編小説(中編小説も含みます)の中で、「村上主義者むち」が、特に気に入って何度も読み返してる作品ベスト5を紹介したいと思います。
それではいきましょう。
5位:風の歌を聴け
(あらすじ)
1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。
青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。
群像新人賞受賞。
5位は、記念すべき処女作、「風の歌を聴け」です。
村上春樹は、早稲田大学在学中に結婚し、ジャズ喫茶を経営していました。
そして、確か30歳くらいの頃に、ふと突然思いついて、真夜中にキッチンで小説を書き始め、出版社に送ったところ、群像新人賞を受賞したのです。
それが、この「風の歌を聴け」という作品です。
本作と次作(『1973年のピンボール』)は、実は村上春樹本人的にはあまり気に入っていない作品のようです。
確かに、真夜中にジャズ喫茶の仕事が終わった後に、細切れで執筆していたということもあり、文章が散文的な印象はあります。
しかし、むちとしては、このデビュー作特有の、初々しさ、若々しさに妙に心が惹かれるのです。
むちが初めて村上春樹の小説を読んだのはこの作品でしたが、そこから現在に至るまで、村上春樹の世界にどっぷりとのめり込んでいます。
ボリューム的にも100数ページくらいしかないので、「村上春樹を読んでみたいけど何から読み始めたら良いかわからない」という方は、試しにこの作品から読んでみてもいいかもしれません。
4位:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
(あらすじ)
多崎つくる、鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。
何の理由も告げられずに――。
死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。
全米第一位にも輝いたベストセラー!
4位は、割と最近の作品、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」です。
タイトルが印象的ですよね。
むちは、基本的には、一人称小説(ぼく・わたしが主人公)が好みなのですが、こちらの作品は三人称小説となっています(多崎つくるが主人公)。
ただ、「多崎つくる」を「ぼく」として見立てて、どちらかというと一人称寄りのスタイルで物語は進んでいきます。
この作品では、主に主人公の「多崎つくる」の視点から、いろんな時と場所(名古屋、東京、フィンランド)をさまよいます。
村上春樹は事前のロケハンなどはしないタイプのようなのですが、本当に名古屋やフィンランドに行ったかのような錯覚に陥る(陥らせる)ところがすごいですよね。
この作品は、見方によっては、ミステリー小説だという意見もあるみたいです。
むちはそうは思わないですが。
村上春樹作品では、明確な結論というものが描かれないため、読んだ人それぞれに独自の解釈があるところが面白いですよね。
(あくまで私見ですが、)村上春樹作品を読むコツは、その全てを理解しようとしないことです。
「この意味はどういうことなんだろう?」とか深く考え込まずに、サクサク読み進めることです。
”考えるのではなく、感じるのです。”
よく「村上春樹の作品は難解」だと言われますが、それは誤解だと思います。
文章自体は平易な言葉を使って書かれており、大変読みやすいです。
難解なのではなくて、解釈が読み手側に委ねられているというだけのことです。
3位:ノルウェイの森
(あらすじ)
限りない喪失と再生を描く究極の恋愛小説!
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。
限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。
3位は、村上作品の中ではおそらく一番有名であろう、「ノルウェイの森」です。
※タイトルは、ビートルズの同名曲の引用です。作品中でもビートルズがひとつの重要なキーとなります。
出版当時、今作が爆発的にベストセラーとなったため、「村上春樹=ノルウェイの森」というイメージが根強いかもしれませんが、実はこの作品、村上作品の中でもちょっと異質な作品なのです。
というのも、村上作品はどちらかというと、いわゆる”リアリズム小説”とは対照的に、”幻想的な世界”を描くことが多いのですが、この作品は、がっつり”リアリズム恋愛小説”となっています。
つまり、今作は、村上春樹本人にとっても、ある意味実験作であり、挑戦であったわけです。
この作品のことを、単なる官能小説だという人がいますが、むちは全くそんなことは思いません。
非常に優れた、”リアリズム恋愛小説”だと思います。
”死は生の対極としてではなく、その一部として存在している”
蓋し名言ですね。
あと、赤と緑のカバー表紙がとてもお洒落ですよね。
これは村上春樹本人のアイデアのようです。
2位:羊をめぐる冒険
(あらすじ)
「羊のことよ」と彼女は言った。「たくさんの羊と一頭の羊」「羊?」「そして冒険が始まるの」 故郷の街から姿を消した〈鼠〉から〈僕〉宛に、ある日突然手紙が届く。同封されていた一枚の写真が、冒険の始まりだった。『1973年のピンボール』から5年後、20代の最後に〈僕〉と〈鼠〉がたどり着いた場所は――。
野間文芸新人賞受賞の「初期三部作」第三作。
2位は、村上春樹が専業作家となって初めての作品である、「羊をめぐる冒険」です。
この作品から、村上春樹は本格的に長編小説を書き始めます。
軌道に乗っていたジャズ喫茶という本業を捨てて、「これからは小説家として食っていくんだ!」という強い意志がひしひしと感じられます。
この頃から、いわゆる”村上春樹節”が炸裂していますね。
”やれやれ”が口癖のクールな主人公が、うまく事態を飲み込めないまま、周囲の大きな陰謀に巻き込まれていく。
この作品からは、若干ハードボイルドな雰囲気が感じられるのですが、それはおそらく、村上春樹の傾倒する「レイモンド・チャンドラー」の影響でしょう。
村上春樹独特の比喩表現もバッチリ決まっています。
なお、最初に紹介した『風の歌を聴け』、二作目の「1973年のピンボール』、そして今作『羊をめぐる冒険』は、「初期三部作」と言われていて、登場人物が同じです。
時系列順で読んでみても面白いかもしれません。
※『ダンス・ダンス・ダンス』という続編もあります。
1位:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
(あらすじ)
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。
老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。
静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
1位は、二つの物語が同時進行するというストーリー展開を初めて採用した作品である、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」です。
まず作品タイトルからして、イカしていますよね。
二つの物語が同時進行するというストーリー展開の作品は、他にも「海辺のカフカ」や「1Q84」などでも使用されていますが、むちは圧倒的にこの作品が好きですね。
二つの世界の話が交互に描かれ、徐々に交錯していくストーリー展開は本当にワクワクさせられて、「むち心」をくすぐりまくる作品となっています。
初めて読んだ時には、「ハードボイルド・ワンダーランド」の方が面白く感じたのですが、読み返してみると、「世界の終り」の魅力にひしひしと気付きました。
どちらの方が人気なのかとても気になります。
あと、直接は関係ありませんが、むちは新海誠の『君の名は』が大好きなのですが、『君の名は』を初めて観た時、なぜだかむちの中で「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」とリンクしました。
調べてみたところ、新海誠監督も村上春樹愛好家らしく、その中でも一番好きな作品が「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」だそうな。
やっぱり。
両作品は、大きな視点で見ると、どうやら「セカイ系」という括りに入るらしいですが、やはり根っこの部分でつながっているのでしょうか。
両者の関係性について、うまく言語化して説明出来ないのがとても悔しいですが、研究が待たれます。
いかがでしたでしょうか。
むちは本当に村上春樹に多大なる影響を受けているのですが、大好きであるが故に、書きたいことが多すぎて、今回記事としてまとめるのに一苦労しました。( ´•ᴗ•ก)ポリポリ
いつか村上春樹のような美しい文章を書けるようになりたいなあと思う今日この頃であります。
あ、でも村上春樹は、( ´•ᴗ•ก)ポリポリとか使わないか。。( ´•ᴗ•ก)ポリポリ
村上春樹をまだ読んだことがない方、あるいは敬遠している方は、どうか身構えずに、軽い気持ちで一作品でも読んでもらいたいです。
また、同じ村上春樹愛好家(村上主義者)の方には、是非ともお気に入りの作品を教えていただきたいです。
皆さん、書を持ち、村上春樹を読みましょう。
「村上主義者むち」からは以上になります。
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