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米タッパーウェア社が連邦破産法の適用を申請!マーケティングの教材としても有名な企業。タッパーと言えば密閉容器の代名詞。破産の原因は商品が長持ちすることだったかも⁈

こんにちは、明日から酷暑が収まると聞いてHappyなDJムッチーです。
アメリカのタッパウェア社が連保破産法11条の適用を申請したそうです。
タッパウェア―と言えば、密閉容器の代名詞で固有名称が一般名詞になった商品としても有名で、マーケティングの商品戦略研究の対象として教材にもたびたび登場してたほどです。
当世流行のブランディング戦略で、固有名称が一般名詞になるような戦略が創造できるでしょうかね・・・(笑)

タッパウェアが日本に上陸したのは1963年のこと、冷蔵庫の普及に乗って1960年後半から1970年代には大ヒット商品になりました。
日本上陸当時、大卒の初任給が15,000円の頃にタッパーウェア6個セットが1,360円というから、かなりの値段でした。日本のタッパーウェアはイノベーター理論に合致する普及スタイルを辿ったのです。

タッパーウェアは、日本ではアメリカと同様のプロモーションスタイルを選択します。テレビが普及していない時代に、ラジオや紙媒体では伝わりにくい商品の実用性や有用性を訴えるために採用したのが、富裕層に向けたホームパーティー商法。1938年にアメリカでタッパーウェア社が採用した戦術を採用したのは正しくて、1938年のアメリカ市場と1963年の日本市場の状況が似ていたためです。
これに習って、高級商材はホームぺーティー商法でプロモーションする時期がありましたよね・・・布団とか補正下着とか保険とかね
その後、富裕層のタッパーウェアがある暮らし丸ごとを、紙媒体なのどで消費者に訴求することで、加速度的に一般家庭に広がりました。ゆわゆるレポート情報がこの商品を拡散したことになります。この時のオピニオンは上流の暮らし方全体だったのかもしれません。

アメリカのタッパーウェア ホームパーティー商法

庶民の暮らしでのタッパーウェア

作りすぎり、買い過ぎた食材を捨てることなく、保存したりお裾分けしたりする容器として人気を博したタッパーウェア。SDGsの魁ともいえます。
当時の婦人雑誌には、彩鮮やかなお料理を入れて、大きな冷凍冷倉庫に整然と並べられたタッパーウェアがグラビアを飾っていました。
そんな暮らしに憧れて、高いタッパーウェアを買った庶民の暮らしでは、残るものと言えば、ご飯と煮物とお漬物ぐらいでした。
それでも、ご飯はザルに、煮物やお漬物はお鉢に入れて、虫がたからないように食品用の蚊帳をかけてた時代からは大変化です。冷蔵庫で保存するから、日持ちも良くなりました。
給食のない土曜日のお昼ご飯は、冷蔵庫にある冷ごはんとインスタントラーメンという暮らしが実現できたのです。

昭和の家庭にはあった、食品用の蚊帳

お客様思いの商品戦略が企業破産の原因

タッパーウェアの商品戦略は、柔軟な素材による強い密閉性、重ね置きができる収納性。そして壊れない耐久性です。
この壊れない耐久性には定評があって、私の母は僕が冷ごはんを食べていた頃の物を、未だに使っています。
この耐久性が、普及とともに企業業績を悪化させます。普及が完了すると買い替え需要が望めないため、市場がシュリンクしてしまいます。そうなると未開拓の国や地域へ販路を拡大するのですが、タッパーウェアのプロモーション戦略は、情報が数日で拡散する時代の到来で陳腐化してしまっていました。また、超安価での類似商品が開発されたため商品価値が一気に下がってしまったのです。
商品戦略、価格戦略、プロモーション戦略、プレイスメント戦略それぞれには、良い策を実施したのでしょうが、統合すると誤った動きになってしまうという、合成の無謬状態に陥ってしまっていたのでしょう。

貫かれたコンセプトがあれば、次の段階に展開もできたのでしょうが、おそらくそれが無かったために、新しいヴィジョンが見えなかったのでしょう。
たとえば「密閉」をコンセプトに挙げれば、さまざまな事業展開ができたはずなんですが、「容器」にこだわってしまったのかなと、思ったりします。
ヴィジョンは見えるからヴィジョンで、現在あるさまざまな企業の会社案内に記されているヴィジョンは見えない物ばかりです・・・つまり、ほとんどの企業で曖昧なの事業コンセプトしかない状態です。
(本物のマーケッターには活躍の場が多いですね・・・)

固有名称が一般名詞になった商品たち

タッパーウェアは、タッパと呼ばれて密閉容器という一般名詞になりました。確かに、パチ物(類似品)の密閉容器は、すぐ壊れたりで役にたちませんから、一般名詞になるのも頷けます。
テレビ、ラジオでは、固有名称が一般名詞になった言葉は、使うことが避けられます。とくに天下のNHKでは、徹底されています。
タッパーウェアは、保存用密閉容器。ジップロックは保存用密閉ビニール袋などです。
(平野レミさんは、NHKでもお構いなしに、タッパー、ジップロック、サランラップ・・・と連発して、スタッフがひやひやです)
そんなNHKでも、最近は平気で使っているのが、「QRコード」という固有名称。これは、一般名詞では、マトリックス型二次元コードというのですが、長いからQRにしているのでしょうね・・・NHKもゆるゆるになってきてるのかな?

一般名詞になった固有名称たち

固有名称が一般名詞になっているもので、面白いものを集めてみました。
例えは、ウォークマンはソニーの固有名称で一般名詞は携帯音楽プレーヤーみたいな感じのものです。

デジカメ
デジカメは旧三洋電機の商品名で、一般名詞はデジタルカメラ
ポケットベル
ポケットベルはNTTドコモの商品名で、一般名詞はページャサービス
QRコード
QRコードはデンソーウェーブの商品名で、一般名詞はマトリックス型二次元コード
着メロ
着メロはビジュアルアーツ社の商品名で、一般名詞は着信メロディ
エレクトーン
エレクトーンはヤマハの商品名で、一般名詞は電子オルガン
ラジコン
ラジコンは増田屋コーポレーションの商品名で、一般名詞はラジオコントロール
セスナ
セスナは米国のセスナ・エアクラフトの商品名で、一般名詞は小型軽飛行機
ウォシュレット
ウォシュレットはTOTOの商品名で、一般名詞は温水洗浄便座
ホッチキス(ホチキス)
ホッチキスはイトーキの商品名で、一般名詞はステープラー
ポストイット
ポストイットは3Mの商品名で、一般名詞は付箋紙。
シヤチハタ
シヤチハタはシヤチハタ㈱の商品名で、一般名詞はインキ浸透印
セロテープ
セロテープはニチバンの商品名で、一般名詞はセロハンテープ
マジックテープ
マジックテープはクラレの商品名で、一般名詞は面テープ
マジックインキ
マジックインキは内田洋行の商品名で、一般名詞はフェルトペン
ポリバケツ
ポリバケツは積水テクノ成形の商品名で、一般名詞はプラスチックバケツ
バンドエイド
バンドエイドは米国のジョンソン・エンド・ジョンソンの商品名で、一般名詞は絆創膏
UFOキャッチャー
UFOキャッチャーはセガ・インタラクティブの商品名で、一般名詞はクレーンゲーム機
テトラポッド
テトラポッドは不動テトラの商品名で、一般名詞は波消しブロック
タバスコ
タバスコは米国のマキレニー社の商品名で、一般名詞は辛味調味料。
アーモンドチョコレート
アーモンドチョコレートは江崎グリコの商品名で、一般名詞はアーモンド入りチョコレート
ホワイトチョコレート
ホワイトチョコレートは六花亭製菓の商品名で、一般名詞は白チョコレート
うどんすき
うどんすきは美々卯の商品名で、一般名詞はうどん入り寄せ鍋

以上が、昔の放送用の注意名称資料にのってた、間違いやすい名称です。
最近は、芸人さんやタレントさんが番組のMCだったりするので、こういうガイドラインは壊れつつあります。
進行台本には、きちんとした名詞が出ているのですが、台本を読まないタレントさんが増えてしまって、ぐちゃぐちゃになってます。
ネーミングは、市場シェアと先行性がモノを言うようですね・・・(笑)

それでは、今日はこの辺で失礼します。
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じゃあまたこの次
DJムッチーでした。


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