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coldmountainstudy~ピックアップ2023.2.

先月から続き・・・本を買い過ぎました。

新年のおめでたい感じからの厳冬期は本を買い過ぎていけません。かつては”新年は面白い本(個人比)が出ない”なんてジンクスがあったのですが今は昔。

言い訳です。

一冊一冊をよく受け止めてゆくしかないでしょう。

ではさっそく。文庫・新書から。


第18回開高健ノンフィクション賞受賞作
「夢の共有」を掲げて華々しく活動し、毀誉褒貶のなかで滑落死した登山家。
メディアを巻き込んで繰り広げられた彼の「劇場」の真実はどこにあったのか。

両手の指9本を失いながらも〝七大陸最高峰単独無酸素〟登頂を目指した登山家・栗城史多氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ注目を集めたが、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。彼はなぜエベレストに挑み続けたのか? そして、彼は何者だったのか? かつて栗城氏を番組に描いた著者が、綿密な取材で謎多き人気クライマーの真実にせまる。

読みたいような読みたくないような・・・だったのですが、文庫化をきっかけに購入。こういうケースだと文庫化やはりありがたいですね。


なぜ資本主義を終わらせることができないのか?それは構想力の不足が要因だ

なぜ資本主義を終わらせることができないのだろうか?
資本主義なき世界を私たちは“構想”することができるのか!? それが問われている。

歴史上、「資本主義の危機」は何度も言われてきた。
しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。
これは、その想像力が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。
資本主義が終わった後の世界を私たちは“構想”することが出来ていないため、資本主義は続いてしまっているのではないか?
いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか?
社会現象を起こした有名作品(フィクション)を手がかりに構想力を鍛えあげる、白熱の講義録!
大澤社会学の最前線。

有名作品を入り口にして、資本主義社会の“その先”を考える。
第一部 対米従属の縛りを破れるか
取り上げる作品 『シン・ゴジラ』『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』他

第二部 善悪の枷から自由になれるか
取り上げる作品 『デスノート』『OUT』『薔薇の名前』他

第三部 資本主義の鎖を引きちぎれるか
取り上げる作品 『おそ松さん』『バートルビー』他

第四部 この世界を救済できるか
取り上げる作品 『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』他

※本書は2018年3月に小社より刊行された『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』を改題のうえ、文庫化したものです。

これほど多く”資本主義”を耳にするのって、少し異常な気もします。多くの人が不満を、不安を抱えている。
これからもしばらくは関連本を、少しずつ読んでいくことになるでしょう。


ささやかな悩みから、深刻で重大な問題まで、
「哲学は人生論である」が持論の気鋭の哲学者・國分功一郎氏(東京大学教養学部准教授)が34の相談に全身全霊で答えます。

質問のいくつかは、たとえばこのようなものです。
・自分に嘘をつくってどういうことなの
・母と母の夫になじめない
・先が見えず不安。自信を持つにはどうしたらいいの
・哲学の勉強をするにはどうしたらいいの
・抑え難い復讐心があるのだが……

「書かれていることだけを読んでいてはダメである。人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない」(本書あとがきより)

國分先生の本気度200%の回答をぜひご堪能ください!

【第一部】 愛、欲望、そして心の穴
――失業の救済は知らないが個人の救済は勉強だ!

1. バブル世代の父親がドバイから仕送りを送ってこなくて困窮しています
2. 子持ちの彼女への愛は本物でしょうか
3. 勉強より、リア充のようなコミュ力を磨いた方がいいのでしょうか
4. 女性との接し方が分からず、ホモソーシャル的な空気に逃げてしまいます
5. 29歳ですが、まともに長続きした恋愛をしたことがありません
6. 婚外セックスに虚しさを感じ始めました
7. マスターベーションばかりしてしまうのですが、どうすれば良いですか
8. 義両親の態度が「ゴネ得」に感じられてしまいます
9. 断っても断っても誘ってくる相手に諦めてもらいたいです(手を汚さずに)
10. 仲良くしようとしてくる親が気持ち悪くて耐えられません
11. どうすれば前向きに語学を学ぶことができるようになるでしょうか
【第二部】 プライドと蔑みと結婚と
――ダダダダッ、ダッダダ
12. 哲学の勉強をするには、どこの大学に行くのがいいのでしょうか
13. 付き合っていた頃から、何かと夫に主導権を握られています
14. 彼女のために、高級ソープ通いをやめるべきでしょうか
15. 「自分に噓をつく」とは、どういうことなのでしょうか
16. 年下の人と仲良くなるにはどうすれば良いでしょうか
17. 会社の先輩から、行きたくない飲みに誘われます
18. タメ口の仕事相手がどうしても許せません
19. 知人が、高校を中退して美容師になると言っているのですが……
20. 交際相手が自分の言葉で話してくれません
21. 一対一の恋愛関係がクソゲーに思えて仕方ありませ
22. ぼくと家族が生き抜くためには何が必要でしょうか
23. 彼氏の仕事を応援することができません

【第三部】 仕事も情熱も相談も
――反革命の思想こそがやさしさを……
24. 理想や情熱を持って働きたいというのは贅沢なのでしょうか
25. 問題のある先輩に、どのように対処すれば良いでしょうか
26. 色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています
27. 母親と、母親の夫との距離感がつかめません
28. 相談というのは、どうやってすれば良いのでしょうか
29. 悲観的な夫に腹が立ってしまいます
30. 勝手に悪人のレッテルを貼られて困っています
31. 先が見えず不安です。自信を持つにはどうしたら良いでしょうか
32. 男前が好きな自分を認めても良いでしょうか
33. 抑え難い復讐心があります
34. 好きな女性が進路に悩んでいます

あとがき 哲学は人生論でなければならない

《解説・千葉雅也》

その人・・・書き手がどんな人なのか知るためにこういう手軽なQ&A、一問一答型は役に立ちますね。開高健の「風に訊け」が好きです。


極北のインディアンたちは子育てを「あそび」とし、性別や血縁に関係なく楽しんだ。親子、子どもの姿をいきいきと豊かに描いた名著。 解説 奥野克巳

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極北の雪原に生きる狩猟民ヘヤー・インディアンたちにとって、子育ては「あそび」であり日々のこの上ない楽しみだった。ジャカルタの裏町に住むイスラム教徒は、子どもの喧嘩を「本人同士のビジネス」と言って止めずに眺めていた。本書は、環境や習慣が異なる社会における親子、子どものありかたをいきいきと描き出した文化人類学的エッセイである。どのような社会に生まれても子どもは幅広い可能性を内包しながら成長していくことが、みずからのフィールドワーク経験をもとにつづられる。鮮彩なエピソードの数々が胸を打つ名著。
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成長の道はひとつではない
子どもの豊かな可能性をひらく名著

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目次

1切ることと創ること
2親の仕事を知らない子どもたち
3からだとつきあう その一
4からだとつきあう その二
5一人で生きること
6けんかをどうとめるか
7親子のつながり
8あそび仲間のこと
9「あそび」としての子育て
10「親にならない」という決断
11自然の中で作るおもちゃ
12きびしい自然の中の子育て
13〝自然みしり〞をする
14「子どもぎらい」の文化
15母系制社会の子ども
16男女の分業について
17キブツの男女・親子関係
18バングラデシュの女の子たち
19〝がめつさ〞について
20男の子の「家出」について
21しつけの男女差
22離婚と子ども その一
23離婚と子ども その二
24ディズニーランドの文化
25文化のなかの教育 その一
26文化のなかの教育 その二
27文化のなかの教育 その三
あとがき
解説(奥野克巳)

子育て本ですね。各所評判がよかったので。「ヘルシンキ 生活の練習」もそうですが少しずつこんな本を選ぶことが増えてきている気がします。

和食派? それともパンとコーヒー派? たまにはパンケーキ、台湾ふうに豆乳? 朝ごはん大好きな35人のとっておきエッセイ。

これはもう読んで愉しい河出のおいしい文藝シリーズ。
自分、特に旅先では朝食が大事。西川治さんの朝食365日とかもいいですねぇ。

およそ咀嚼できるものならば何でも食ってしまうというのが人類の大きな特質であるが、わけても著者はその最たるもの。先入観も偏見も持たず、国内国外を問わず、著者は美味を求めて放浪し、その土地土地に根付く人々の知恵と努力を食べる。現代に生きる私たちの食生活がいかにひ弱でマンネリ化しているかを痛感させずにはおかぬ、豪毅なエッセイ集。

先日読んだ檀太郎が面白くて。檀流クッキングは大好きですがこれはよんでいなかったな・・・と。


日本の農村に息づくさまざまな知恵は、現代社会に多くのヒントを与えてくれる。社会学の視点からそのありようを分析し、村の伝統を未来に活かす途を提示する。

自分の村暮らしも早いもので10年を超え、地域の仕事なんかも経験。そこからこの本を読んで頷ける・嚙み砕ける部分はあるか?を確認のために。

ファシズムの影が忍びよるポルトガル。リスボンの小新聞社の中年文芸主任が、ひと組みの若い男女との出会いによって、思いもかけぬ運命の変転に見舞われる。タブッキの最高傑作と言われる小説。1996年の再刊。

タブッキ少しづつ読み進めてます。ポルトガルを想うために。

町の人たちがなんでも相談にくる広島の山間の本屋「ウィー東城店」。地域の小売店の可能性と、そこで成長する若者たちの姿を描く。

地域と本屋。
いろんなケースの本屋についてやはりいろいろ知りたいと思っています。

私は日本のことを、
自分たちのことを何も知らなかった。(「おわりに」より)

水俣、天草、須恵村…  
故郷・熊本の暮らしの記録を初めて解く。
現代の歪みの根源を映し出す、
今を生きる人たち必読の生活誌。
世界を動かしてきたのは、
いつも、小さき者たちだった。
はたらく、まじわる、くに…  
消えかけていた声を拾い、
紡いだ、渾身の二一編。

気鋭の人類学者の新たな代表作

本書では、私が生まれ育った九州・熊本でふつうの人びとが経験してきた歴史を掘り下げようとした。とくに私が地元でありながらも目を背けてきた水俣に関するテキストを中心に読みこみ、自分がどんな土地で生を受けたのか、学ぼうとした。そこには日本という近代国家が民の暮らしに何をもたらしてきたのか、はっきりと刻まれていた。(「はじめに」より)

松村さんは「くらしのアナキズム」で一気に好きになって。アフリカものが馴染めなかったのですが彼が書く日本は?地元はどうか?興味があります。


ここから2冊は先日・山梨は須玉で参加した映画上映会絡みのものですね。

大地再生・・・と言うより原題の「君はどこに属するの?」の方が大きなテーマ、という映画と解釈しました。まずは・・・。


人と自然の関係が変わる!
生態系を回復させ、温暖化まで止める
「奇跡のカーボン・ファーミング」とは?

有効な温暖化対策「カーボン・ファーミング」としていま脚光を浴びるリジェネラティブ(環境再生型)農業。その第一人者による初のノンフィクション。
4年続いた凶作の苦難を乗り越え、著者が自然から学んだ「土の健康の5原則」。そこには、生態系の回復や カーボン・ファーミングのエッセンスが凝縮されている。地中の生態系のはたらきを阻害さえしなければ、あらゆる土が真に「生きた土」に変わる。さらに、やせた土地の回復は、農業の衰退、食料危機、環境破壊、気候変動問題などの対策にもつながるのだ。
21世紀のさまざまな課題解決の糸口となり、自然への見方が変わる、野心的な〈土壌のバイブル〉!

各氏絶賛!
米アマゾンで1000を超える5つ星レビューを獲得!

「土は生命現象の産物、そして生命のゆりかご。土から始まる環境革命の実践書」福岡伸一(生物学者)

「人が土を育て、土が人間を育てる。土をケアする営みは、こんなにも奥深く切実で面白い」森田真生(独立研究者)

自分の暮らしの中で、もう少し自然に貢献できることはないか?という漠として想いの中から出逢った今回の映画。その参考書に。

そうだったのか!ムダの先にある豊穣の世界

コ○ナ禍では「不要不急」がひとつのキーワードとなった。また「コスパ」「タイパ」、そんな考え方が日常を侵食している。しかし、要不要とはいったい何だろう。身のまわりのすべてのことを、「役に立つかどうか」「効率がいいかどうか」「払った対価に見合っているかどうか」、そんなモノサシで測ってよいものだろうか。

その価値観で捨てた「ムダ」なもの、それは本当に「ムダ」なのか?誰にとって?何にとって?そもそも「ムダ」で何が悪いのか?「ハチドリのひとしずく」を日本に紹介した著者が「ムダ」を切り口に、暮らし、労働、経済、テクノロジー、人間関係などについて思索する。

【本書の内容】
序 章 ムダについて考えるということ
第1章 「ムダを省く」ということ
第2章 「ナマケモノ」の視点で経済成長を見る
第3章 複雑化した世界でのシンプルな暮らし
第4章 働き者礼讃社会に抵抗する
第5章 ムダと孤独とテクノロジー
第6章 ムダな抵抗は、してもムダ?
第7章 スローライフはムダでいっぱい
第8章 答えは足もとの土にある
第9章 ぼくたちは、遊ぶために生まれてきた
第10章 教育とムダをめぐるコペルニクス的転回
第11章 あなたは「ムダな人」ですか?
終 章 愛とは時間をムダにすること

伏字は”ロ”が入ります。

そしてゲストスピーカーの辻信一さんの最新著。まさに、なタイミングの一冊。ムダが悪いことかどうか、ちょっといろんな経験から真面目に考えています。「スローイズビューティフル」以降の辻さんの考えが好きですね。


次は、ずっと行ってみたかった北杜市の本屋さん「のほほん」での2冊。


入門しなくていい。門前で楽しめばよいのだ。
自伝的エピソードの断片と哲学的思考が交差して織りなす、画期的な「哲学門前書」の誕生。

十九歳の夏にニューヨークで出会ったタクシードライバーとの会話、伯父の死に涙する祖母を慰めた夜、読書会で生じた環境型セクシュアルハラスメントの後悔、新卒で勤めた国書刊行会で接した個性的な面々、創業間もないヤフーでの目の回るような忙しさ、デビュー作『心脳問題』を山本貴光と書いた日々――

文筆家・編集者・ユーチューバーとして活躍する著者が、コミュニケーションや政治、性、仕事、友人関係などをテーマに、暮らしのなかで生じる哲学との出会いや付き合い方について、体験談を交えて考察する、ユニークな随筆集。
相棒・山本貴光氏による「吉川浩満くんのこと」収録。

   * * *

日々、新たな哲学入門書が刊行されています。こんなにたくさんの入門書が世に出るのは、哲学には入門の手続きが必要だという信念が存在するからです。なぜそれが必要なのかといえば、哲学というものがあまりに多様で、ときとしてあまりに難解だからでしょう。どちらもある意味では本当のことです。だから哲学入門書はつとめてやさしい言葉で書かれています。

とはいえ、いったいどうなったら哲学に入門できたことになるのでしょうか。やさしい入門書を読み終えたとして、それでめでたく入門できたと実感したことや、門をくぐる許しが得られたと満足したことがあるでしょうか。一知半解なまま数多の入門書を渡り歩く「入門書流民」を続けるうち、哲学に対して見果てぬ夢のような感覚がわきあがってくることはないでしょうか。
(第7章「哲学 reprise」より)

   * * *

【目次】

はじめに

1 哲学
Call me Ishmael
哲学のはじまり(と終わり)

2 ディス/コミュニケーション
ゴムボートとタイタニック
人間っぽいAIとAIっぽい人間
コミュ障についての小話

3 政治
伯父の帰国運動
右でも左でもある普通でない日本人

4 性
削除された世界の起源
空ばかり見ていた

《幕間》君と世界の戦いでは Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ

5 仕事
勤労日記(抄)
私の履歴書
複業とアーレント

6 友だち
山本貴光くんのこと
友だち、遊び、哲学
吉川浩満くんのこと(山本貴光)

7 哲学 reprise
門前の哲学

あとがき

自分は知らない書き手さんだったのですがチョイ読みして即決。なので一応著者プロフィールも引用します。(ご存知の方長くてごめんなさい。)

文筆家、編集者、ユーチューバー。1972年3月、鳥取県米子市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、現職。晶文社にて編集業にも従事。関心領域は哲学・科学・芸術、犬・猫・鳥、デジタルガジェット、映画、ロックなど。哲学愛好家。Tシャツ愛好家。ハーレーダビッドソン愛好家。卓球愛好家。

如何にも面白そうな人です。
こういう”偶然の出逢い”が書店に直接出向く大きな魅力のひとつですね。

書き下ろし短編も!
本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』の著者がおくる食エッセイ

「毎月一回食べもののことを書く。食べることと書くことが、拠りどころだった気がする。」(「まえがき」より)

月刊誌『ESSE』の人気連載が、待望の書籍化!
北海道のトムラウシに1年間移住したり、本屋大賞を受賞したり……。さまざまな変化があった6年半の月日を、「食」をとおして温かく描き出す。
ふっと笑えて、ちょっと泣けて、最後にはおなかが空く。やさしく背中を押してくれるエッセイ78編に、書き下ろし短編1編を収録。全編イラストつき

【内容紹介】
◆一章 つくること、食べること
「豆を煮る」、「泰然自若シチュウ」、「100%オレンジゼリー」、「お正月のカレー」、「ローガンと出汁」、「キノコ嫌い」、「楽譜とレシピ」、「塩鮭の注文」、「大雪のパンケーキ」ほか

◆二章 なんでもない日のごはんとおやつ
「最強ハンバーグ」、「スイカの種」、「おいしい朝ごはん」、「ミルクティーとスリッパ」、「山の中のお正月」、「ゆかりたん」、「餃子とアジフライ」、「お金持ちのサラダ」ほか

◆三章 思い出の食べもの
「君の名前」、「水ようかん」、「まぼろしのオムライス」、「おついたち」、「鹿まんじゅう」、「読書会のメニュウ」、「スープを煮込む」、「四月のかき氷」、「黄金色のジャム」ほか

◆短編 ウミガメのスープ
イラストの公募展で大賞を受賞した私。うれしいはずなのに、がんばらなきゃならないのに、心細くて怖いのはなぜ? お祝いすら心の重荷になるのはどうして?
「お姉ちゃん、一緒にお菓子を焼こうよ――」
ある日、家にやってきた妹と話すうち、私にとっての「描く」ことを取り戻していく。

「神さまたちの遊ぶ庭」をタイヘン面白く読ませてもらった宮下さん。食のエッセイはどうか?と。まだまだ知らない書き手さんでもありますので、愉しみです。

続いて上諏訪の一箱古本市の際立ち寄った宮城未来さんの「言事堂」での一冊。


2022年度 第8回沖縄書店大賞〈沖縄部門〉優秀賞受賞! !
第6回沖縄書店大賞〈沖縄部門〉準大賞受賞作『沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶』に続く連続受賞!


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料理の数だけ、つくってきた人たちの人生がある。
「島」生まれのガチマヤー(食いしん坊)も目から満腹! の一冊です。

─── ジョン カビラ(ラジオ・テレビパーソナリティー)


1945年まで、沖縄には「辻」という遊郭がありました。
戦前の辻に育った知人によると、脇に豚が飼われ、宮廷料理人に習った料理と昔ながらの家庭料理、そして舞踊で温かく客をもてなしていたそうです。
辻には「おはよう」や「こんにちは」といった挨拶言葉はなく、だれに出会っても「ご飯食べたか」というのが挨拶言葉だったそうです。
温かい人々の住む沖縄は、料理をすること、食べることが暮らしの真ん中にあるんですね。沖縄の自然の食材を丁寧に扱う市場の人の手に、その優しさは今も見られます。沖縄の自然と人と人との間には、いつもお料理があるんですね。沖縄に行きたくなるのは、そうした人の温かさにほかならないと思います。

─── 土井善晴(料理研究家)


食文化とは、ひとりひとりの営みの上に成り立っているものだと実感する。
本書には、沖縄と、そこに生きるひとびとの、年輪が刻まれている。

─── 橋本倫史さん(ノンフィクションライター)


一軒一軒の店の歴史を知ることで、その土地が内包しているものがみえてくる。
​だからお店の話は聞くのも読むのも面白い。

——木村衣有子さん(文筆家)


​繰り返しの日々を続けることで人々の食を支えてきた店と店主。インタビューページでは、文章と写真が相まって、行ったことがなくてもその店の日常や店主の思い、店内の空気までもが感じられるようです。

——『新報住宅ガイド 週刊かふう』より

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異国との交流、気候風土、古くから息づく風習や思想、社会情勢——
めまぐるしく変化する時代のなかで、独自の食文化を形づくってきた「沖縄の料理」。
食をまかなう人々は何を思い、何を信じ、「食」と向き合ってきたのだろうか。

沖縄の本土復帰から50年を迎える2022年。
暮らしと密接に関わる「食」を通して沖縄の戦前・戦後の歴史をたどるとともに、人々の歩みを記録する。

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伝統文化の真髄を伝える琉球料理店、どこまでもこだわりつづける沖縄そば屋、流れるような所作から生まれる繁多川の豆腐店、戦後米兵向けのレストランからスタートしたステーキハウス、コザの町の移ろいを知るタコス店など、10軒のインタビューを収録。
そのほか本島北部から南部まで、地域に根ざす料理店・場所全42軒を取材し、食に関わる人々の話を聞いた。

沖縄の料理の概要をわかりやすく伝える解説ページや、ガイドマップも充実。
思わずお腹が空いてくるさまざまな料理と聞き書きの生活史から沖縄を知る、新たな視点の一冊。


<取材先店舗の一部>
・琉球料理 美榮
・本家新垣菓子店
・首里そば
・長堂豆腐店
・ROSE ROOM(ローズルーム)
・ジャッキーステーキハウス
・café OCEAN(カフェ オーシャン)
・中国料理 孔雀樓
・GODIES(ゴーディーズ)
ほか


監修・写真:岡本尚文
文:たまきまさみ
料理考証:仲村清司


未来さん沖縄ですからね。「言事堂」というとアートと歴史ですが、新刊は沖縄モノが強いですよ。


最後は本屋仲間且つ釣り仲間が進めてくれた一冊。


本書はパタゴニアとふらい人書房の協同企画による書籍です。
『鱈-世界を変えた魚の歴史』など、数多くの世界的ベストセラーを生んだマーク・カーランスキーの最新作。
本書を読めば、サーモンという魚がどんな魚なのか、人は歴史的にこの魚とどう関わってきたのか、今、サーモンはどういった状況に置かれているのか、といったことが理解できる。まず著者はサーモンがどんな魚なのかを、冒頭のPART1で紹介するのだが、ここで読者はサーモンの意外な生態を知って驚くかもしれない。サーモンが「生まれた川へ戻る」回帰性について知らない人は少ないと思われるが、「生まれた川へ戻らない」サーモンが種を持続させるために重要な役割を担っていることを知っているだろうか? あるいは同じサーモンでもベニザケとピンクサーモン(カラフトマス)では回帰率が違い、それぞれの種ごとに独自に仕組まれた生存戦略があるといったこと、サーモンの中で最も古いと考えられているのがサクラマスで、新しい種がピンクサーモンであることなど、著者は科学的な事実をわかりやすい言葉で明らかにしてくれる。
次のPART2で、著者はサーモンと人間の関わりについて筆を進める。ここで私たちが知ることになるのは、人の手によるサーモン殺戮の歴史である。乱暴に言ってしまうと、産業革命以降の人類の発展の歴史は、そっくりそのままサーモンが絶滅へ向かう歴史でもあるのだ。そうして自分たちで殺しておきながら、殺し過ぎて食べる分がなくなると、今度は無理にでも増やそうとして、孵化場を発明し、ほぼ同時期に養殖を始めるわけだが、このあたりがPART3で語られ、最後のPART4でサーモンの、あまり明るいとは思えない将来が語られる。

patagoniaもふらい人も、いい本を作りますね。

仲間曰く「サケ・マス版”百年の愚行”」。自分もサケ・マス類に憑りつかれている人間の一人ですからね。これはもう読まねばならないと思った。

ふう、一気に書くと改めて増やし過ぎですね。一気に。

3月からは釣りにも予算を割かねば・・・なので少し冊数落ち着く・・・。

・・・よう願っています。

※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路


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